パラ五輪選手の感染トラブルに警鐘「健常者と比べて高いリスク」

[ 2016年6月2日 14:10 ]

 国際パラリンピック委員会のピーター・バンデブリート医科学委員長が1日、リオデジャネイロで9月7日から開催されるパラリンピックに参加する選手に対し「健康と感染に対してはより厳重な注意が必要だ」と警鐘を鳴らした。リオデジャネイロではボートやセーリング競技会場でのバクテリアとウイルスの数値が著しく高く、ジカ熱への感染も懸念されている状態。AP通信のインタビューに答えたバンデブリート委員長は「脊椎損傷と脳性マヒを抱える選手は、健常者と比べてより高いリスクを抱えている」と指摘した。

 パラリンピックには4350人が参加。現在、健康への不安を理由に五輪を辞退する選手はいないが、同委員長は「視力に障害がある選手は傷口が見えないし、知的障害がある選手は不衛生な状況に弱い。下肢に障害がある選手は体温を調整することが難しい」と予想されるリオデジャネイロでのトラブルに懸念を表明した。

 時同じくして大リーグのタイガースに所属している抑えのエース、“Kロッド”ことフランスシコ・ロドリゲス投手(34)が昨年、母国ベネズエラでジカ熱に感染していたことを公表。「2週間も頭痛や吐き気を感じて寝込んでいた」と語っており、体力のあるトップ・アスリートであってもジカ熱に関しては回復までに2カ月を要したことが判明しており、パラリンピックに参加する選手に対する予防とケアは五輪以上に重大な問題として浮上してくるだろう。

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2016年6月2日のニュース