稀勢Vなら無条件で横綱昇進に横審待った!13勝なら見送り示唆

[ 2016年5月24日 05:30 ]

名古屋場所で稀勢の里が優勝しても13勝なら横綱昇進を見送ると横審からまったがかかった

 大相撲夏場所で2場所連続13勝を挙げた大関・稀勢の里(29=田子ノ浦部屋)の横綱昇進に関して、横綱審議委員会の守屋秀繁委員長は23日、名古屋場所(7月10日初日、愛知県体育館)でのハイレベルの優勝を求めた。日本相撲協会の審判部では勝ち星に関わらず優勝なら昇進という見解を示しているが、同委員長は両国国技館で行われた23日の会議後、13勝の優勝なら昇進を見送る可能性があることを示した。

 期待しているからこその、高いハードルだった。守屋委員長は会議後の会見で、稀勢の里の綱獲りについて言及。「優勝は必須条件。(昇進)決定となると星の内容になるんじゃないかな」と前置きした上で「13勝は難しいんじゃないか。1場所(昇進を)見送った力士が4人いるが、そのあと4人とも横綱になった。焦って横綱にするのはまずい」と話した。あくまで私見ではあるが、強い横綱になってもらうため、今場所と同様に14勝以上のハイレベルな優勝を求めた。

 春場所で13勝を挙げた稀勢の里の今場所の綱獲りについては、審判部は当初、3横綱を倒した上での14勝以上の優勝なら無条件としていた。だが、初日から連勝を続け場所を盛り上げたことで、優勝できなくても14勝なら昇進させようという声が一部で出ていた。13、14日目と連敗したため議論に至らなかったが、守屋委員長は「優勝もしないで横綱にして、非難の声が出るのはまずいんじゃないでしょうか」と異議を唱えた。
 
 横綱推薦の内規の第2項には「2連続優勝した力士を横綱に推薦することを原則とする」とあり、「第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、出席委員の3分の2以上の決議を必要とする」と記されている。稀勢の里は2場所連続で白鵬に次ぐ成績(春場所1差、夏場所2差)だけに、優勝しなくても上げることは不可能ではない。だが、同委員長は「引退が早くなるだけという意見もある。実力が伴ってから横綱になってほしい」と訴えた。

 優勝なら何勝であっても構わないという意見の横審委員もいる。いずれにしても、98年夏場所後に昇進した3代目若乃花以来となる日本人横綱の誕生は、ファンのみならず、相撲協会、横綱審議委員会も期待している。名古屋場所も稀勢の里が話題の中心となる。

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