奥原リオ金狙える!伝統大会で日本勢39年ぶりV!

[ 2016年3月15日 05:30 ]

女子シングルス決勝で王適嫻を破り、拳を握る奥原希望(AP)

バドミントン全英オープン最終日・女子シングルス決勝 奥原21―11、16―21、21―19、王適嫻(中国)

(3月13日 英国・バーミンガム)
 女子シングルス決勝で、世界ランキング8位の奥原希望(のぞみ、21=日本ユニシス)が同5位の王適嫻(26=中国)に2―1で競り勝ち、初優勝を飾った。日本勢の同種目制覇は77年の湯木博江以来、39年ぶり4人目の快挙。奥原は男子シングルス8強の桃田賢斗(21=NTT東日本)とともにリオデジャネイロ五輪出場を確実にした。昨年12月のスーパーシリーズ・ファイナル(UAE・ドバイ)に続くビッグタイトル獲得で、五輪本大会の金メダルも見えてきた。

 ビッグタイトルを手に、夢舞台に挑む。1時間39分に及んだ熱戦に終止符が打たれると、1メートル56と小柄な奥原は大の字になった。「歴史ある大会で優勝できて自信になる。記憶に残る大会になる」と喜びをかみしめた。

 106回目となる伝統の大会で日本勢が同種目を制するのは39年ぶりの快挙。五輪出場枠は昨年5月から1年間の国際大会で稼いだポイントによるランキングで振り分けられるが、奥原は今後の全大会を欠場しても枠を確保できる状況となった。12年ロンドン五輪では、同年の全英を制した李雪?(中国)が女王に輝いているだけに、奥原にとって、リオ五輪に向け験の良い栄冠となった。

 1メートル68と長身の王適嫻との決勝では持ち前のフットワークが生きた。1―1で迎えた最終ゲームの序盤はリードを許す苦しい展開。30回を超える長いラリーを何度も耐え、17―17と追いついた。ここで連続失点の流れを止めようと王適嫻が間を取ったことを審判は遅延行為とみなし、レッドカードの判定。奥原に点数が入り18―17と逆転した。最後に引き寄せた流れを日本のエースは逃さなかった。「全英のタイトルを目指して練習してきた。最後まで諦めない気持ちが逆転につながった。走れなくなるまで走ってやろうという気持ちだった」と振り返った。

 負けん気の強さが売りで「私、がめついんです」と言ってのける。年間上位8人で争う昨年12月のスーパーシリーズ・ファイナルを制し、一躍メダル候補に浮上。海外からも研究される立場になったが「(世界に)認めてもらえてうれしい」とむしろ歓迎している。しかし、年明けの国内戦で日本選手に2敗。男子選手と速い展開での練習を重ねたことでズレが生じ、不安も募った。それでも「厳しい球は無理しない。どんな状況、環境でも冷静に対応しないと」と気持ちを改め、この日も攻め急がず、粘り強く拾って勝利をつかんだ。

 現在世界ランキング8位だが、準決勝では同1位のマリン(スペイン)を破っており、五輪本番でも期待は膨らむばかりだ。この日は21歳の誕生日。試合後はスタッフからお祝いのケーキが贈られ、優勝者が受け取る銀の皿に載せられた。「こんなにいい誕生日は今までにない」。バースデータイトルの次は、五輪の金メダルを射止める。

 ▽全英オープン 1899年に第1回大会を開催。1977年に世界選手権が創設されるまでは実質上の世界選手権として開催されていた。五輪、世界選手権に次ぐ格付けのスーパーシリーズ・プレミア大会。

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