米ツアー2勝目を飾った松山の“パットの偏差値”は全体5位

[ 2016年2月13日 09:30 ]

ファウラー(右)とのプレーオフを4ホール目で制して優勝を決め、健闘をたたえ合う松山英樹(AP)

 先週の米男子ゴルフツアー、フェニックス・オープンで松山英樹(23=LEXUS)が米ツアー2勝目を飾った。最終日は世界ランク4位のリッキー・ファウラー(27=米国)と壮絶なデッドヒートを繰り広げ、正規ラウンドとプレーオフの17番でいずれもティーショットを池に入れるミスを犯したファウラーに対し、松山は全く隙のないゴルフを展開して粘り勝った。

 さて、松山のほかにも石川遼や岩田寛が主戦場とする米ツアーは公式サイトに膨大なデータを掲載している。日本ゴルフツアー機構(JGTO)の公式サイトにもフェアウエーキープ率や平均パット数などの主要項目は掲載されているが、米ツアー公式サイトは項目数が非常にとても多い上に細かい。

 一例を挙げると、ストロークス・ゲインド・パッティングという項目がある。意味は「パットにおけるスコア貢献率」。11年5月から採用されている。米ツアー公式サイトの説明では「一定の距離からのパッティングに何打費やしたかを計算し、出場選手全体の平均と個々の選手の差を示すことでパッティングにおいて平均スコアを良くしているか悪くしているかを表す指標」とされる。

 例えば出場選手全体の2メートルを決めるためのツアーの平均ストローク数が1・5だったとする。1パットで決めた選手はプラス0・5ストローク、3パットした選手はマイナス1・5ストロークとなる。従来は平均パット数で上位にランクインする選手がパット巧者とされていた。もちろんそうなのだが、コースの難易度によって平均パット数は左右される。難しいグリーンより簡単なグリーンでの大会の方が、平均パット数も伸びるだろう。そういったコースの難易度や出場試合数などによる不公平をなくすための指標として“パットの偏差値”であるストロークス・ゲインド・パッティングは非常に有益。また、ストロークス・ゲインド・パッティングのショット版としてストロークス・ゲインド・ティー・トゥー・グリーンという指標も存在する。

 ちなみに、12日現在の松山のストロークス・ゲインド・ティー・トゥー・グリーンはなんと全体5位。あの豪快なショットが米ツアーで武器となっている証拠と言えるだろう。(記者コラム・井上 侑香) 

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2016年2月13日のニュース