五郎丸SR得点デビュー ルーティンやらずにゴール

[ 2016年2月13日 05:30 ]

スーパーラグビー・プレシーズンマッチのブランビーズ戦後半に途中出場し、ゴールキックで初得点をマークしたレッズの五郎丸

プレシーズンマッチ レッズ18―31ブランビーズ

(2月12日 ブリスベン)
 世界最高峰リーグ「スーパーラグビー(SR)」のレッズ(オーストラリア)に加入したFB五郎丸歩(29)が12日、本拠地ブリスベンのバリーモアスタジアムで行われたブランビーズとのプレシーズンマッチに途中出場し、新天地デビューを果たした。後半ロスタイムに味方がトライを決めると、その後のコンバージョンキックを任され、見事成功。試合は18―31で敗れたものの、地元ファンの前で上々のお披露目となった。

 たとえリザーブでも、主役は背番号23だった。27日の開幕ワラタス戦(シドニー)前最後のプレシーズンマッチで、レッズはブランビーズに完敗した。それでも試合後、ピッチ上で日豪両国のテレビカメラに囲まれたのは五郎丸だった。

 「課題もないくらい短い時間だった。もう少し長い時間プレーしたかったが、まだ初戦。まずは出られたことを喜んで一日も早くレッズの力になれるよう頑張りたい。日本人も声援を送ってくれてうれしかった。一試合でも多く出たい」

 たった11分間の出場時間でもチーム首脳にも地元ファンにも好印象を残した。最大の見せ場は後半ロスタイム。味方が中央付近にトライを決めるとゴールキックを任された。正面やや左15メートルほどの短い距離とあってキック前の両手を合わせるルーティンはない。それでもチームが五郎丸に最も期待し、五郎丸自身も「要求されるところ。パフォーマンスを発揮したい」と話していた場面で簡単な角度ながら、あいさつ代わりの一蹴りを決め2点を追加した。

 「初戦で蹴れたことを幸せに思う。プレー一つ一つに沸き、ホームという感じがした」

 出番が回ってきたのは後半29分だった。レッズがトライを奪われ、11―31と試合の大勢が決まったところでベンチを出た。中継した「レッズTV」の実況担当者からは「ガンバッテ、ゴロウマル」と日本語でエール。紺色のセカンドジャージーを着た五郎丸が悠然と定位置に就くと、4600人を集めたスタンドは大いに沸いた。

 後半36分には相手のボール保持者がタッチライン際を突進し、インゴールまで5メートルに迫ったところでタックルし、外に押し出してトライを防いだ。昨年のW杯スコットランド戦の前半ロスタイム、自陣左コーナーで相手を押し出したシーンをほうふつさせるタックルに、レッズの公式ツイッターも「左隅で五郎丸がトライセービングタックルだ!」と興奮気味にツイートした。

 チームが劣勢だったことからボールタッチは一度もなく、2度あったペナルティーの場面ではタッチキックを他の選手が蹴った。「最初は20~30分と言われていたのでもっと出たかった」と話したが、開幕まで、まだ2週間ある。15番を奪い、真のデビューを飾る。

続きを表示

2016年2月13日のニュース