日馬の誓い 北の湖理事長「2桁優勝」で恩返しします

[ 2015年11月24日 05:30 ]

7度目の優勝から一夜明け、笑顔でポーズをとる日馬富士

 2場所連続休場明けの大相撲九州場所で、2年ぶり7度目の優勝を果たした横綱・日馬富士(31=伊勢ケ浜部屋)が千秋楽から一夜明けた23日、福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋宿舎で記者会見し“2桁優勝”へ意欲を見せた。今場所13日目に急逝した北の湖理事長(元横綱)は史上5位の24度。優勝回数で自身はまだ上位20傑に入ったばかりだが、理事長からもらった励ましの言葉を胸に賜杯を毎場所狙うことを誓った。

 日馬富士の復活優勝の裏には北の湖理事長の存在があった。一夜明け会見で横綱は「理事長には(大関昇進前の)安馬時代からお世話になってかわいがってもらいました。心からお悔やみ申し上げたい」と沈痛な面持ち。そして、右肘の負傷で7月の名古屋場所から2場所連続で休場していた期間についても言及した。「理事長から“焦るな。ちゃんと治してから出てこい”と言われ、心強かった。ケガしていてもいろいろな意味でお声を掛けていただいた」。協会トップを担う昭和の大横綱からの励ましがあったからこそ、強行出場することなくじっくり治療に専念できた舞台裏を正直に明かした。

 その北の湖理事長は現役時代に史上5位の優勝24度を記録。7度目の自身は今回でようやく上位20傑に入ったばかりだ。優勝については「ただ強いからできるのではなく一生懸命相撲に尽くしたから与えられるもの。数にはこだわらず精いっぱい相撲道に尽くしていく」との考えを持つ。それでも「みんなもそうだと思いますが、毎場所毎場所優勝目指しています」とも言った。次なる目標の2桁優勝に向けて「頑張ります」と力強く宣言した。

 今場所は千秋楽で稀勢の里に黒星を喫したものの、優勝が決定。「こんなことあり?と思いましたが、一生懸命努力すれば報われるとあらためて感じました。必ず復活したい気持ちが強かった。苦しんだ経験を生かし、稽古に集中したい」。横綱として自身初の2場所連続優勝が懸かる来場所も幕内最軽量のスピード相撲で観客をうならせるつもりだ。

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2015年11月24日のニュース