錦織“暴れん坊”を冷静に撃破!前代未聞チャレンジに笑いも

[ 2015年10月15日 05:30 ]

シングルス2回戦で逆転勝ちした錦織圭(AP)

上海マスターズ・シングルス2回戦 錦織1―6、6―4、6―4キリオス

(10月14日 中国・上海)
 世界ランキング6位で第6シードの錦織圭(25=日清食品)が初戦の2回戦で“問題児”の挑戦を退けた。試合中の暴言などでツアーから執行猶予付きの出場停止処分を受けた世界32位のニック・キリオス(20=オーストラリア)と初対戦。1―6、6―4、6―4で逆転勝ちを収めた。ベスト8進出が懸かる15日の3回戦では、第12シードのケビン・アンダーソン(29=南アフリカ)と対戦する。

 マッチポイントをめぐる緊迫の場面なのに2人とも笑ってしまっていた。互いにサービスキープで迎えた最終セットの第10ゲーム、時速210キロを超えるキリオスの弾丸サーブに錦織が必死に手を伸ばした。文句のつけようがないリターンエース。ところがなぜかキリオスはチャレンジした。

 テニスの「チャレンジ」は、審判のライン判定に選手が異議を唱えられるシステムだ。本来は自分のショットがアウト、もしくは相手のショットがインとコールされた場合にCG判定で確認できる。しかし、この時のキリオスの意図は違った。「自分のサーブはフォールトだった」→「だから錦織のエースも取り消し!」という潔いようで全く潔くないチャレンジ。前代未聞の試みは失敗に終わり、錦織はこのゲームの4本目のマッチポイントで試合を決めた。

 第1セットの錦織は最初のサービスゲームで3度のダブルフォールトを犯すなど、みすみす相手を勢いづかせてしまった。開始から5ゲームを連取され、6度のブレークポイントも一つも取れず「第1セットは諦めました」という最悪の出だしだった。

 しかし「サーブを入れることと落ち着いてプレーすることを意識した」と取り乱すことなく挽回。短気なキリオスはゲーム間も主審と言い争うなど、感情を抑えきれずに失速したが「彼が言い争っているのは聞こえたけど集中して冷静でいるように心掛けた」と対照的な冷静さだった。

 「トップ10の選手としてはマスターズ大会でいい結果を残すことは一つの目標」。第2シードのフェデラー(スイス)や第7シードのフェレール(スペイン)が初戦敗退に終わる中、マスターズ初制覇に向けて錦織は波乱の渦から逃れた。

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