錦織、自己最速50勝 正確サーブで難敵下し4年連続8強入り

[ 2015年10月8日 05:30 ]

勝利した錦織はファンをバックに笑顔で自撮りする

男子テニス 楽天ジャパン・オープン第3日

(10月7日 東京・有明テニスの森公園)
 世界ランキング6位で第2シードの錦織圭(25=日清食品)が4年連続の8強入りを決めた。好調なサーブで世界50位サム・クエリー(27=米国)を封じ込め、7―6、6―3でストレート勝ち。昨年よりも速いペースでシーズン50勝目に到達した。9日の準々決勝ではマリン・チリッチ(27=クロアチア)とスティーブ・ジョンソン(25=米国)の勝者と対戦する。

 ビッグサーバー攻略には得意のリターンが鍵を握る。だが、この日の錦織はサーブの出来でクエリーを上回ってみせた。「とてもいい試合でした」。会見での笑みをたたえた第一声に、満足感をたっぷりとこめた。

 第1サーブの確率は1回戦の48%から69%まで大幅に改善した。第1サーブが入った時にポイントを失ったのは36本中3本。7本のサービスエースも奪って「最近で一番よかった。自分が楽にサービスキープできるのは珍しい」と自画自賛した。

 省エネでのサービスキープは勝負どころでの集中力にもつながった。最速210キロ超の高速サーブにスライスサーブを交えたクエリーの緩急には苦しんだが、第1セットのタイブレークで持ち前のリターン能力を全開。ボディーサーブも身をよじって返球すると、焦った相手のミスを誘発した。これまでの対戦成績は3勝3敗。いつもフルセット勝ちだったクエリーに対し、初めてストレートでの完勝だった。

 ジョコビッチ、A・マリー、フェデラーに続き、この日はベルディハとともに今季50勝(11敗)に達した。自己最多の54勝(14敗)だった昨季は、最終戦の1つ前のマスターズ・パリ大会で50勝目に到達。今年はそれより2大会早く、自己記録更新は確実なペースだ。

 今季上位8人が出場できる最終戦、ATPツアー・ファイナル(11月、ロンドン)の出場権争いでも、今週は追いかけるライバルたちが次々と早期敗退している。おかげで錦織の2年連続出場はほぼ確実な情勢だ。「今までで一番充実しているシーズン。それが数字として見えてきているのはうれしい」。自らのレベルアップを実感しながら、大会連覇にも一歩ずつ近づいている。

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