エディーJ引っ張るリーチ主将 寡黙、優しさ…夫人が語るその素顔

[ 2015年10月1日 11:00 ]

記念撮影するリーチ、長女のアミリア真依ちゃん、知美さん(リーチ知美さん提供)

ラグビーW杯イングランド大会

(9月30日)
 初の決勝トーナメント進出を狙う日本代表をフランカーのリーチ・マイケル主将(26=東芝)が引っ張っている。ニュージーランドで生まれ、札幌山の手高への留学と同時に日本に生活の根を張り、13年には日本国籍も取得した頼れるスキッパーだ。陰で支えるのがリーチと東海大の同期だった知美(さとみ)夫人(27)。最も近くで見守ってきた人物が、ジャパンを束ねるキャプテンの素顔を語った。

 背中で引っ張る。リーチ自身、そして周囲の人物評は、家庭内でも変わらない。寡黙。知美さんも、その一例を挙げる。

 「付き合い始めたのは3年生(09年)の秋。“好きです”と言われて。ただ、それも淡々と言うんですよね、悲しいですけど。ぼそっと、つぶやくくらいに。(所属する東芝の)外国の方はファンキーな方が多いので例外ですよね(笑い)」

 出会いはその1年前。バドミントンの授業が一緒で「手のひねりだけでスマッシュがいく。友達と“何、この人”って」と衝撃を受けた。ある日、次の授業も一緒だったリーチから突然「バドミントンの授業、リポートあるっけ?」と流ちょうな日本語で尋ねられた。

 「超ビックリして。日本語しゃべれるんだと」

 11年1月21日、知美さんの23歳の誕生日にプロポーズされ、12年2月に結婚。夫を支える。食事には気を使うが「“そんなに頑張らなくてもいいよ”と言われて。タンパク質と脂質を除いて炭水化物は少なめでとか。試合前は麺類とか、そのくらいです」と負担を掛けまいとする優しさを明かす。好物はサバ。「よく焼きます」と味噌煮より塩焼きがお気に入りだ。

 「できたら助かる」と頼りにされ、古代のハワイ医療を起源とするロミロミ(オイルマッサージ)の資格を14年に取得した。「週に1、2回。チーフス(スーパーラグビー)に行っていた時は週3くらい」。世界最高峰リーグでも陰で支えた。

 W杯イヤーの今年は自宅を空けることが多いが「連絡は毎日来る」。知美さんが多忙な時は長女アミリア真依ちゃん(1)をそっと連れ出し、時間をつぶしてくれる。それでも「試合前はピリピリする。東芝、チーフスとレベルが上がるにつれてピリッとしますね。代表はチーフスの倍くらい」。想像を絶する重圧を一番近くで見てきた。

 19年W杯日本大会を30歳で迎えるリーチはそこでも活躍を期待されるが「会議しないと。19年もやるの?みたいな。こんなに一緒にいる時間がないのは…」という思いもある。それでも「やるんでしょうけど」と笑う。全てを犠牲にし、日本のために戦う。そんな選手やコーチ、スタッフがいて、日本ラグビーが日の目を見ようとしている。

 ◆リーチ・マイケル 1988年10月7日、ニュージーランド生まれの26歳。5歳からラグビーを始めて、04年に札幌山の手高に留学。東海大卒業後の11年4月に東芝入り。08年11月16日の米国戦(瑞穂)で日本代表初キャップ。昨年は7人制代表でもアジア大会優勝に貢献した。ポジションはフランカー/No・8。1メートル90、105キロ。日本代表通算45キャップ。家族は知美夫人と長女アミリア真依ちゃん(1)。

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2015年10月1日のニュース