熊ケ谷親方を解雇 傷害罪で起訴、退職金なし 日本相撲協会

[ 2015年10月1日 17:28 ]

 日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で理事会を開き、マネジャーの男性を暴行したとして傷害罪で起訴された熊ケ谷親方(45)=元十両金親、本名山村和行、神奈川県出身、宮城野部屋=の解雇を決めた。親方の解雇は5例目となった。

 除名に次いで重い処分で、理事会の決議により退職金は支給しない。「熊ケ谷」の年寄名跡の取り扱いは今後協議する。

 相撲協会が昨年1月に公益財団法人へ移行後、親方の不祥事による処分認定は初めて。北の湖理事長(元横綱)は「協会全体に迷惑を掛けた。厳しい処分は当然。あってはならないことが起きたのは残念だ」と述べた。

 理事会は、一連の問題を調査した相撲協会の危機管理委員会(宗像紀夫委員長=元東京地検特捜部長)の処分案に満場一致で賛成した。理事会には金属バットや金づちなどで男性を殴打した事件内容や負傷の写真などが提示された。

 記者会見した宗像委員長は「残忍で常軌を逸している。相撲協会の社会的信用を失墜させ、名誉を傷つけられた」と説明した。同委員長によると、熊ケ谷親方は危機管理委の担当弁護士による接見の場で「処分は時期尚早」とし、解雇なら訴訟を起こす意向を示したという。

 熊ケ谷親方は宮城野親方として横綱白鵬関の師匠を務めた時期もあったが、週刊誌で八百長の存在を知人女性に告白したと報じられ、2010年に師匠を交代させられた。

 ▼北の湖・日本相撲協会理事長の話 (熊ケ谷親方は)やってはいけないことをして、人間として問題がある。厳しい対応で臨まなければならず、理事会の決定は当然だ。(同親方の訴訟の意向に)それは一般常識として通るだろうか。

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2015年10月1日のニュース