朝弁慶、新十両昇進!高砂部屋に久々明るい話題

[ 2015年10月1日 05:30 ]

新十両が決まり、笑顔がはじける朝弁慶

 大ちゃん節、復活!日本相撲協会は30日、両国国技館で九州場所(11月8日初日、福岡国際センター)の番付編成会議を開き、朝弁慶(26)の新十両昇進を決めた。東京都墨田区の高砂部屋で行われた会見では師匠・高砂親方(元大関・朝潮)の陽気なキャラクターが全開。数年前までは弟子の元横綱・朝青龍が数々の不祥事を起こして散々悩まされただけに、久々の明るい話題に笑いが止まらなかった。再十両は東龍(28)と大道(33)の2人。

 入門から8年半で新十両の座を射止めた朝弁慶の隣で、師匠が存在感を放った。現役時代に「大ちゃん」と呼ばれて親しまれた高砂親方も今年12月には還暦を控える。そんな中で06年夏場所の皇牙以来9年ぶりに弟子の新十両が決まり「(定年まで)あと5年。面白くなってきた」と笑った。

 10年2月には数々の不祥事を起こした横綱・朝青龍が暴行騒動で電撃引退。親方は「あの時は悪いことばかり。皆さん(報道陣)に追いかけ回されるわ、車も傷つけられるわ、俺の心も傷つけられるわ…」と述懐した。02年から自らが率いる高砂部屋は、明治時代の1878年以来137年も関取が途絶えていない名門。それが、秋場所での関取は東前頭15枚目の朝赤龍ただ1人で、最近はなかなか後進を育てられなかっただけに「早めに親方を変わってもらおうかなと思ってた」とビックリ発言も飛び出した。

 一方“本来の主役”朝弁慶。1メートル90、182キロの巨漢を生かした押し相撲が持ち味で、平塚出身としては1812年(文化9)に現役中に死去した江戸ケ崎以来203年ぶりの関取となった。目標は「師匠みたいに人気のある力士」と宣言し「まずは幕内に上がりたい。自分の相撲がどこまで通用するか楽しみ」と明るいキャラクターは師匠譲り。「僕の学生時代の体に似ている。僕ぐらいまでになってくれたら」と期待を寄せた高砂親方は最後に「これからは笑顔だけでいくので一つよろしくお願いします」とひと言。新たな名物師弟が誕生した。

 ◆朝弁慶 大吉(あさべんけい・だいきち=本名酒井泰伸)1989年(平元)2月12日、神奈川県平塚市出身の26歳。同市の中華料理店「ハルピン」(現在は閉店)の長男として生まれ、高校時は柔道をしていたが、高砂親方に「親孝行をするには相撲だ」と説得されて07年春場所で初土俵。得意は突き、押し。家族は母、弟。ニックネームは「湘南の重戦車」。

 ▽高砂部屋 1878年(明11)、最高位・前頭筆頭の高見山によって創設。響矢(ひびきや、のちの高見山)を最初に、横綱・朝潮、関脇・高見山、大関・小錦、横綱・朝青龍ら個性派を多数輩出し、現存する相撲部屋では最も長い期間、関取が存在している。02年2月に部屋を継承した現師匠で7代目。東京都墨田区本所に部屋を構え、幕内・朝赤龍、新十両・朝弁慶、ボディービルダー出身の序二段・朝山端ら14人の力士が所属する。

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