W杯イヤー国内初戦!SO立川、多彩な攻撃で快勝劇演出

[ 2015年5月3日 05:30 ]

<日本・香港>香港のタックルを蹴散らし、突進する日本・立川

ラグビー・アジアチャンピオンシップ 日本代表41―0香港代表

(5月2日 秩父宮)
 アジアラグビーチャンピオンシップ2015リポビタンDジャパンシリーズが2日に秩父宮で行われ、今季国内初戦となった日本代表は、香港代表に41―0で完封勝利し、勝ち点12とした。4月18日の韓国代表戦(韓国・仁川)では、56―30と苦戦したが、2週間で大幅に修正。9月19日のW杯初戦で対戦する世界ランキング2位の南アフリカを想定し、多彩な攻撃オプションを駆使した中、SO立川理道(はるみち、25=クボタ)が司令塔として快勝劇を演出。139日後の大一番へ向け、先発出場をアピールした。

 最高気温28度。ラグビーには不向きの晴天下でも、ジャパンは最後まで集中力を切らさず無失点で快勝した。2週間前の韓国戦を「20%」と酷評したエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチ(HC)は「きょうは21%」と笑いながら採点したが、「南アフリカを想定した場合、まだ求めるところからは遠いが、前進したことは間違いない。アタックにはとてもバリエーションがあった」と評価した。

 W杯を2度制している南アフリカは、体格で日本を優に上回る。フィジカル勝負では不利が明白の中、ジョーンズHCが理想とする戦術がポゼッションラグビーだ。キックを極力減らし、パス回しから相手ディフェンスの間隙(かんげき)を突く。司令塔として指揮官の期待に応えた立川も「韓国戦よりも今回はパスを回せた」と安どの表情を浮かべた。

 前半は「相手に取らせたかった」というキックでミスが続いたが、それでも攻撃ラインを自在にコントロールして3トライを演出。後半3分にはCTBヘスケスにパスを出した後、その外へ自ら走る「ループ」で対面のマークを外し、CTB田村のトライをアシストした。プレッシャーの中で瞬時に状況判断し、正確なパスを出す技術は代表No・1。「外のスペースにボールを振ることもできた。相手に合わせるのではなく、自分たちの攻撃ができた」と話した。

 キックスキルにたける田村、ウイングもこなす広瀬に小野(サントリー)と、それぞれ特長を持つ代表の正SO候補。「今は競争が激しい。10番をもらっている状況の中でチャンスを生かしたい」と気を引き締めた立川にも、9・19のピッチに立つ資格は十分にある。

 ▽アジア選手権 08年に創設されたアジア5カ国対抗に代わり、今年から始まった新大会。上位3カ国(今年は日本、韓国、香港)がホーム&アウェー方式で計4試合を行い、総勝ち点で優勝を争う。最下位チームは下部リーグの最上位チームと1試合の入れ替え戦で、翌年の出場権を争う。

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