エース鶴見 3年ぶり出場で予選2位、ケガ乗り越え決勝進出

[ 2015年4月26日 05:30 ]

段違い平行棒を演じる鶴見

体操全日本選手権個人総合第2日

(4月25日 東京・国立代々木競技場)
 元エースが復活をアピールした。世界選手権(10~11月、英グラスゴー)の代表選考会を兼ねて女子予選が行われ、06~11年に6連覇した鶴見虹子(こうこ、22=日体大)が57・150点の2位で26日の決勝に進出。右足首じん帯剥離や左アキレス腱断裂を乗り越え、3年ぶりの全日本で躍動した。3連覇を目指す笹田夏実(19=日体大)が57・450点でトップ。決勝は予選の得点を持ち越さずに争われる。

 緊張で硬かった鶴見の表情が、種目をこなすごとに柔らかくなった。合計57・150点は、昨年優勝の笹田の55・950点を上回るハイスコア。「不安もあったけど、練習してきたので自分を信じてやった。いい演技ができて良かった」。昨春、左アキレス腱を断裂し「辞めたいくらいショックだった」と言う22歳が、3年ぶりの全日本で好発進だ。

 足に負担がかかる床運動や跳馬の練習を再開したのは今年2月。アキレス腱を断裂した因縁の床運動の練習前、いつも思う。「この一本で体操人生が終わるかも」。そして、強い気持ちで自らを鼓舞する。「怖がっていたら何もできない!」。米大リーグから広島に復帰した黒田は、「日本復帰1戦目で肩が飛んでしまう可能性がある。それでも後悔しない」と言った。男気エースと同じようなメンタルが、表舞台への帰還を可能にした。今年の世界選手権の代表を逃せば、現役引退も考えていたが、予選で手応えをつかんだ。「これなら代表を狙えるかな。もちろん優勝したいけど、結果よりは楽しんで感動してもらえる演技をしたい」と決勝を見据えた。

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2015年4月26日のニュース