監視カメラの映像上映も「確認できない」 韓国で冨田選手公判

[ 2015年4月9日 21:50 ]

 昨年9月の韓国・仁川アジア大会でカメラを盗んだとして窃盗罪で略式起訴され、帰国後に無実を訴えた競泳の冨田尚弥選手(25)の公判が9日、仁川地裁で開かれた。検察側は、犯行現場を捉えたとする監視カメラの映像を法廷で上映した。

 映像にはプールサイドを歩いてきた人物が約8分間、写真記者席に座り、体をひねって後ろにあった黒い物体をつかみ、自分のバッグに入れている様子が映っていた。

 冨田選手は見知らぬ人物が自身のバッグにカメラを入れたと主張していたが、別の人物は映っていなかった。裁判長は「第三の人物は登場していない」とした上で「画質上、映像の人物が被告人かどうか、黒い物体がカメラかどうかは確認できない」と述べた。弁護側は「映像の人物は冨田選手ではない。撮影された日時も確認できない」と主張した。

 冨田選手は公判後「(映像の人物は)僕ではない」と述べた。

 公判には冨田選手を取り調べた警官2人や、カメラを盗まれた韓国メディアの写真記者らが証人出廷。警官は映像の人物について、捜査の過程で日本オリンピック委員会(JOC)役員が映像を見た上で「選手名簿と照らし合わせ『冨田選手だ』と言った」と証言した。

 起訴内容によると、冨田選手はアジア大会中の昨年9月25日、チームの応援で訪れた文鶴水泳場で、記者席にあったカメラを盗んだとされる。

 当初、容疑を認めて略式起訴され罰金100万ウォン(約11万円)を納付したが、帰国後の11月に記者会見し犯行を否定、正式裁判を申し立てた。(共同)

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2015年4月9日のニュース