錦織“修正力”で圧倒!マスターズ初Vへ順当ストレート発進

[ 2015年3月16日 05:30 ]

ストレート勝ちで初戦を突破した錦織はガッツポーズ(AP)

テニスBNPパリバ・オープン

(3月14日 米カリフォルニア州インディアンウェルズ)
 男子シングルス2回戦で世界ランキング5位の錦織圭(25=日清食品)が、今季最初のマスターズ大会をストレート勝ちで順調に滑り出した。今大会第5シードの錦織は序盤からサーブが入らずに苦しんだが、同110位のライアン・ハリソン(22=米国)に6―4、6―4。4大大会に次ぐ格付けのマスターズ大会初制覇を目指し、3回戦では世界31位のフェルナンド・ベルダスコ(31=スペイン)と顔を合わせる。

 慣らし運転は1セットもあれば十分だった。不安定だった第1セットをしのぎ、ストレートでの初戦突破。カリフォルニアの強い日差しを浴びての1時間27分。試合を終えた錦織は声援に応えた後、スポーツドリンクで渇いた喉を潤した。

 「大会の初戦はいつも大変。第1セットはお互いに不安定だったが、第2セットはほぼ完璧なゲームができた」。第1セットは2人合わせて7度のブレークという乱戦。互いにサーブの安定感を欠き、錦織はダブルフォールト5本。ストロークでもミスが出て凡ミスは18本を数えた。

 「遅いコートで球も跳ねる。まだまだ自分のテニスに合ってきていない」。特に先週のデ杯カナダ戦はとびきりの速いコートだっただけに、その誤差の修正にも時間を要した。それでも第10ゲームでこの日4度目のブレークに成功。第1セットを先取すると、第2セットも第1ゲームで先にブレークして「精神的に楽になった」とストロークにも伸びが出てきた。「第2セットは合ってきて、フォアでどんどん打っていけた」と凡ミスも7本に減り、鋭く踏み込んで攻め続けた。

 マスターズは年間9大会あり、4大大会と同じく優勝まで7試合を勝ち抜く必要がある。シード選手は1回戦が不戦勝となるため出場人数は4大大会の128人に対して96人だが、トップ選手が集うレベルの高さに変わりはない。4大大会制覇を目指す上でも、マスターズは絶好の予行演習となる。「この大会ではまだいいプレーができたことがないので、今まで以上に勝ち上がっていきたい」。今大会は2年連続で3回戦止まりに終わっているが、第5シードとして臨む今年、錦織が見据えているのは頂点だ。

 ▽ツアーのシステム 09年から4大大会(全豪オープン、全仏オープン、ウィンブルドン、全米オープン)を頂点に、ATPマスターズ1000、ATP500、ATP250の4段階で格付けされる。4大大会は2000点、マスターズは1000点と上位大会ほど世界ランクに反映されるポイントが高い。ツアーに出場できるポイントを持たない選手は、さらに下のチャレンジャー・シリーズやフューチャーズ・シリーズでポイントを稼ぐ。

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