琴乃、2差3位発進 悲願初Vへ「いいスタートが切れた」

[ 2014年11月28日 05:30 ]

4アンダーで2打差の3位につけた香妻琴乃

女子ゴルフツアー LPGAツアー選手権リコー杯第1日

(11月27日 宮崎県宮崎市 宮崎カントリークラブ=6428ヤード、パー72)
 今季最終戦となる国内メジャー大会が開幕し、初出場の香妻琴乃(22=サマンサタバサ)が6バーディー、2ボギーの68、首位と2打差の3位につけた。テレビマッチで競演した石川遼(23=CASIO)が認めたショット力で、シーズンラストを初優勝で締める。大会史上初めてアマチュアとして臨んだ勝みなみ(16=鹿児島高)は74で23位。66で回った渡辺彩香(21=ユピテル)が首位に立った。
【第1R成績】

 最終18番、50センチのボギーパットを沈めた香妻は口を真一文字にして悔しがった。今季は2度のプレーオフに敗れて2位が2回。1打の重みを知るからこその表情だ。それでも賞金ランク21位となり、初出場を決めた最終戦のメジャー大会で実力者がそろう中、2打差の3位と好発進。「トータルで落ち着いてできたし、いいスタートが切れた」と及第点を与えた。

 5メートルのパットを沈めてパー発進。「あのパットが入ったことによって、いい流れになった」と1番で一日のリズムをつくった。芝目がきつい高麗グリーンに慣れるまで我慢のゴルフを続け、6番でバーディーが先行。400ヤードを切る6、7、17番のパー4でスコアを伸ばして「100ヤード以内のショットがピンについてくれた」と胸を張った。

 24日に宮崎市内で行われたテレビマッチ。競演した石川が香妻に驚嘆した。優勝争いしたミズノクラシックをテレビ観戦した石川は「たまたま調子がいいのかな」と思っていたという。しかし、実際のプレーを見て「思っていたより力強いスイング。飛距離も出るし、すぐに何勝もできる」と太鼓判を押し、具体的には「当たりが厚い。球の芯を、クラブの芯で打つのがうまい。その辺は(横峯)さくらさんに通じるものがある」と続けた。

 石川の言葉に香妻は「本当だったら、うれしいですけど」と照れ笑い。そして「ぬか喜びにならないように頑張りたい」と初Vへ気合を入れた。

 宮崎の日章学園高出身で今大会は準地元での開催。駆け付けた仲間から声援を浴び「力が抜ける感じでできた」とリラックスできたのも好プレーにつながった。地元テレビでは連日、宮崎出身の大山と並んで紹介されるほど大きな注目を集める存在。初の賞金シードを決めるなど躍進を遂げた22歳のシンデレラストーリーは、7月のサマンサタバサ・レディースでプレーオフの末に敗れた際の涙で始まった。最終章に、もう涙はいらない。

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2014年11月28日のニュース