最年長Vある!?旭天鵬、戸惑いまくり1敗死守「分からんわ」

[ 2014年11月17日 05:30 ]

上手投げで隠岐の海(左)を破った旭天鵬

大相撲九州場所8日目

(11月16日 福岡国際センター)
 “角界のレジェンド”旭天鵬が隠岐の海との平幕1敗対決を上手投げで制し、7勝目を挙げた。他の平幕1敗力士が全て敗れたため、横綱・白鵬と大関・稀勢の里の看板力士とともに無敗の横綱・鶴竜を1差で追う展開に。優勝制度ができた1909年以降では太刀山の38歳9カ月を超えて史上最年長となる「40歳2カ月」での賜杯獲得も夢ではない?
【取組結果】

 「分からんわ。みんなも分からんから俺も分からんわ。“分からん、分からん、分からん”って(新聞に)書いといて」

 40歳2カ月にして平幕唯一の1敗を守った旭天鵬は、支度部屋に引き揚げてくるなり首をかしげた。白鵬、稀勢の里とともに星1つ差で無敗の鶴竜を追う展開となり、本人が一番ビックリの様子。その後「最後まで楽しみ」と豪語しただけに、本気で12年夏場所以来2度目の優勝を狙っているのかと思いきや「そっちじゃない!勝ち越しのこと」と笑って否定した。

 この日の相手は隠岐の海。幕内前半戦で注目の1敗対決だったが、内容は完勝だった。立ち合いで右差し、左上手。そして体を左に開いて投げを放つと11歳年下が豪快に転がった。最後に右手で相手の頭を押さえて左から投げる「逸ノ城スペシャル」と同じような体勢となったのは偶然か…。

 なぜ、こんなに元気なのか。師匠の友綱親方(元関脇・魁輝)は「だって一番稽古するもん。だから下半身が衰えない」と説明。絶対に稽古をサボらず四股を繰り返して汗を流す。本人にとっては当たり前だが、周囲から見れば当たり前ではない。それが“不惑の怪物”を生み出した要因だ。

 通算成績は902勝902敗。「以前の俺は欲があったけど、この1、2年でなくなった。40歳になって迷う方がおかしい」。事実、今場所の目標は通算900勝と幕内残留が決定的となる5勝だっただけに「早く達成して気楽」と笑う。同じ所属部屋の魁聖は「天鵬関、優勝狙ってるんじゃないですかね」と言った。四十にして惑わず――を地でいく男・旭天鵬。長い歴史の中で誰も成し遂げたことのない不惑Vを信じてみるのも、後半戦を見る上での楽しみの一つだ。

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2014年11月17日のニュース