帝京大“代表予備軍”で4連覇 全勝対決で明大にトライ許さず

[ 2014年11月17日 05:30 ]

<明大・帝京大>後半、力強い突進で明大ディフェンス網を突破する帝京大・イラウア(左から2人目)

関東大学ラグビー対抗戦 帝京大31―6明大

(11月16日 秩父宮)
 2試合が行われ、対抗戦では帝京大が31―6で明大との全勝対決を制し、4季連続5度目の対抗戦制覇を果たした。帝京大は前半だけで4トライを奪い、24―6とリードして折り返し。後半は1トライにとどまったが、守っては相手を0トライに完封。将来の日本代表予備軍が、大学選手権5連覇中の力を見せつけた。帝京大は30日に慶大との最終戦(秩父宮)に勝てば、2季連続で全勝での単独優勝となる。

 晩秋の秩父宮で、既にこんなシーンは風物詩になりつつある。4連覇を告げるノーサイドの笛にも、帝京大フィフティーンは普段と同じように列をなし、相手選手とエールを交換した。ガッツポーズは一切なし。「一つ一つの試合をターゲットにしているので結果はうれしいが、次の慶大戦もしっかり戦いたい」と話したSH流(ながれ)主将に、岩出雅之監督は「学生が対抗戦優勝を重く感じていないわけではない」とフォローした。

 試合運びは冷静そのものだった。前半3分にPGで先制されたが、慌てるそぶりはない。同13分に左ラインアウトからラックを重ね、フランカーのイラウアが飛び込んで逆転トライ。同26、37分にも同じ形で追加点。相手を圧倒する密集への寄りの速さと圧力で反則を誘い、タッチキックから手堅く得点を重ねるパターン。力差を明確に表す戦術で、明大の丹羽監督には「あの3トライが痛かった」と嘆かせた。

 今春は流主将をはじめ、フッカー坂手、ロック小滝が日本代表合宿に招集された。キャップ獲得はならなかったが、流は「エディーさん(ジョーンズ・ヘッドコーチ)にスキルアップとキックの精度を上げることを求められた」という。他にもフランカー杉永、SO松田と将来の代表候補がズラリ。過酷な練習量で知られる代表合宿を経験した坂手も「19年(W杯日本大会)は一番いい年頃。(大学でも)みんなが意識を高く持って練習している」とチームへの波及効果を認めた。

 シーズンの第一関門を難なく突破し、全勝優勝、大学選手権V6を視界に捉えた。「(選手権決勝の来年)1月10日に喜べるようにしたい」と流主将。最後まで口元を引き締め、そう宣言した。

 ◇帝京大ラグビー部 70年創部。78年に関東大学対抗戦に加盟し、83年に大学選手権初出場。96年に岩出雅之監督が就任して強化が本格化したが、98年には部員の不祥事で公式戦出場を辞退した。02年大学選手権で初のベスト4。08年対抗戦で初優勝。昨季は史上初の大学選手権5連覇を達成した。大学選手権出場21回、優勝5回。チームカラーは赤。グラウンドは東京都日野市。

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2014年11月17日のニュース