元高校球児・竹谷「出来すぎ」自己ベスト65で首位浮上

[ 2014年6月21日 05:30 ]

ホールインワンの景品は牛1頭。この日7つスコアを伸ばし首位タイに浮上した竹谷、次狙うは…

男子ゴルフツアー日本ツアー選手権森ビル杯第2日

(6月20日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7402ヤード、パー72)
 首位と2打差の13位から出た竹谷佳孝(34=エー・エム・エス)が自己ベストの65で通算10アンダーに伸ばし、66で回った張棟圭(ジャン・ドンキュ)(25=韓国)と並んで首位に浮上した。得意のパットがさえ、ボギーなしの7バーディーを奪った。細川和彦(43=茨城GC)は76と崩れたが、通算1アンダーの26位で今季初めて予選を通過した。
【第2R成績】

 06年のプロ転向後、7シーズンで獲得した賞金は875万8316円だけ。レギュラーツアーでの最高位は今年4月の東建ホームメイト・カップの14位という無名の竹谷がメジャーの優勝戦線に躍り出た。「いや~、出来すぎです」。34歳は大満足のラウンドを振り返った。

 カップ奥の縁にカツンと当たって沈む。外せば大きくオーバーするほど強気のパットが武器だ。「苦手意識が強い」という出だしの1番で2・5メートルを沈めバーディー発進すると波に乗った。3番で1メートル、5番で5メートル、14番では10メートルを沈めた。1番から7連続1パットなど計23パットはこの日最少。5月の中日クラウンズ第2ラウンドの24パットを上回る自己ベストだ。

 身長1メートル69。ドライバーショットの飛距離は約280ヤードと平凡。ゴルフを始めたのは18歳と遅いが、パットだけは悩んだことがない。九州ゴルフ専門学校に体験入学した際に初めてパターを握ったが、「3~4メートルのパットがコンコン入った」といい、周囲を驚かせた。

 かつては野球少年で遊撃手。山口・宇部鴻城高2年時にはチームの主将にも選ばれた。しかし、その年の秋に腰の疲労から脊椎分離症を発症。「普通に動けるようになるまで半年かかった」と野球を断念した。高校3年の1月に父・亜洋(ひろつぐ)さんと気晴らしに練習場を訪れた際、「ゴルフをやってみたい」という気持ちが芽生えた。

 専門学校入学後は毎日1000球を打ち込み、時に「友人たちと24時間耐久練習もやった」とまさに寝ずにゴルフに打ち込んだ。最近は幼い頃からゴルフに親しむプロが多いが、経験を積んで昨年に下部ツアーで優勝するなどようやく結果が出始めた。「どれだけやれるか楽しみ。自分らしくやるだけ」。残り36ホールもカップだけを狙ってスコアを伸ばす。

 ◆竹谷 佳孝(たけや・よしたか)1980年(昭55)1月27日、山口県出身の34歳。小学1年生から野球に親しみ、山口・宇部鴻城高では50メートル走6秒00の俊足を生かしレギュラーとして活躍。卒業後、九州ゴルフ専門学校で本格的にゴルフに取り組む。得意クラブは1Wとパター。家族は妻と長女、長男。1メートル69、66キロ。

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2014年6月21日のニュース