奈良くるみ初V 2年後五輪開催地で新エース名乗り

[ 2014年2月25日 05:30 ]

リオ・オープン女子シングルス決勝で、勝利を決めて喜ぶ奈良くるみ

 テニスのリオ・オープンは23日、ブラジル・リオデジャネイロで女子シングルス決勝が行われ、第5シードで世界ランク62位の奈良くるみ(22=大産大)が第1シードで同35位のクララ・ザコパロバ(32=チェコ)を6―1、4―6、6―1で破り、ツアー初優勝を飾った。日本人の女子ツアー優勝は9人目で、シングルスでは09年9月の韓国オープンのクルム伊達公子以来8人目となった。

 カーニバル開幕直前のリオで、奈良がうれしいツアー初優勝を飾った。初進出した決勝はツアー2勝のベテラン、ザコパロバから第1セットをあっさり奪取。「タイトルのことを考えすぎた」という第2セットは3度リードしながら逆転されたが、「もう一度いいプレーをしようと切り替えた」第3セットは相手に一度もサービスキープを許さず6―1と圧倒した。

 これまでの最高成績は昨年10月のHPジャパン女子オープン(大阪)のベスト4。この週はトップ選手の大半がドバイ選手権に出場していたとはいえ、日本女子のツアー制覇はクルム伊達公子以来5年ぶりだ。「自分でもまだ信じられなくて実感が湧かない。早く家に帰って、みんなに話したい」。初々しい笑顔で優勝トロフィーを掲げた。

 今大会はクレーコートでの開催。球足が遅くラリーが長くなるクレーはパワーと体力が必要で、苦手とする日本選手も多いが、奈良は1メートル58と小柄ながら持ち味のフットワークで粘り、好機には積極的にネットへ出た。以前はハードコートを好んでいたが、全仏オープンの会場、パリ・ローランギャロスの赤土コートを模した東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで集中的に練習。「日本でクレーの練習を重ねたのがいい結果につながった」という。敗れはしたものの、2月上旬の国別対抗戦フェド杯ワールドグループ2部1回戦のアルゼンチン戦(ブエノスアイレス)で、南米のクレーコートにも好感触をつかんでいた。

 大会後の世界ランキングでは62位から自己最高の48位に急浮上。今後は日本女子の新エースとして期待がかかる。「信じられない。今年はトップ50に居続けられるようにしたい。日本でNo・1になるなんて考えてもなかった。毎日、自分のプレーに集中しただけ」。2年後に五輪が開催される地で殻を破ったホープは「リオが大好きです」と笑顔をはじけさせた。

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2014年2月25日のニュース