倉本新会長 初の現役トップ、PGA浄化へ決意

[ 2014年2月25日 05:30 ]

日本プロゴルフ協会会長に選出され、記者会見をする倉本

 日本プロゴルフ協会(PGA)は24日、都内で総会を開き、永久シード選手の倉本昌弘(58)を新会長に選任した。会長選には森静雄前会長(60)も立候補し、代議員90人(うち1票無効)によって倉本に57票、森氏に32票が投票された。任期は2年。PGAは昨年、副会長らの暴力団との交際が明るみとなり総辞職。史上初の現役選手でトップに就いた倉本が新体制で社会の信頼回復を目指す。

 史上初めて現役選手が立候補したPGA会長選。注目を集める中、無数のフラッシュを浴びながら新会長の倉本が会見の席に着いた。「レギュラーツアーについては(出場を)やめたい。シニアツアーは出ることで営業になるならば出る。このぐらい熱意を持ってやる。最低3期6年はやりたい」。副会長には前執行部の坂井初敏のほか井上建夫、植田浩史、渋谷稔也の4人が就いた。

 PGAは元副会長らが在職中に暴力団幹部とゴルフをするなどの交際があった問題の責任を取り、昨年12月に森会長(当時)ら執行部を含む代議員が総辞職。社会の信頼回復を目指して今回の出直し選挙が行われた。新体制のトップは「私たちの不祥事によってこういうことが起きている。各地域を回って会員のみなさんに暴排の徹底をしていく」と反社会的勢力との決別を宣言した。

 具体策として掲げるのが「5200人との面談」だ。現在、PGAの会員数はツアープロやインストラクターら約5200人。実際に全員と対話することは難しいが、インストラクターは各地区で大会を開催していることが多く、こまめに現場に足を運んでコミュニケーションを図り、聞き取り調査していくことは可能だ。万が一、“黒い交際”が発覚した場合には「除名、資格停止の重い処分を科す」という。

 もちろん、会長の頭に描かれているのは暴排だけではない。改革案として底辺拡大事業の推進などを掲げ、さらなるゴルフ界の発展を目指す。また、日本ゴルフツアー機構(JGTO)との連携を強化して、より魅力的なトーナメントをつくり上げていく。倉本新会長は「6年かけて新しいPGAをつくっていきたい」と意気込みを示した。

 ◆倉本 昌弘(くらもと・まさひろ)1955年(昭30)9月9日生まれの58歳。広島県出身。日大時代には日本学生、日本アマなど数々のタイトルを獲得。さらにアマチュアとして当時ツアー競技の中四国オープンで優勝。プロ転向後の81年にいきなりツアー4勝を挙げ、賞金ランク2位に入った。メジャーの82年全英オープンでは日本人歴代最高の4位。ツアー30勝。10年日本シニアオープン優勝。1メートル64、66キロ。

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2014年2月25日のニュース