エース錦織でデ杯初8強入り!相手“降参”途中棄権

[ 2014年2月3日 05:30 ]

試合後シャンパンファイトで笑顔を見せる錦織(左)

テニス男子国別対抗戦デ杯ワールドグループ1回戦最終日

(2月2日 東京・有明コロシアム)
 シングルス2試合が行われ、日本は世界ランキング18位のエース錦織圭(24=日清食品)が今大会3勝目を挙げ、通算4勝1敗で昨年4強のカナダを撃破。81年に始まった現行のワールドグループ(WG)で初の8強入りを決めた。錦織は同119位フランク・ダンセビッチ(29)と対戦し、6―2、1―0としたところで、相手が腹筋を痛めて途中棄権した。世界140位の添田豪(29=GODAITC)は同135位のピーター・ポランスキー(25)を6―1、6―4で下した。日本は4月4~6日の準々決勝(有明)でチェコと対戦する。

 歴史的勝利のフィナーレはあっけなかった。王手をかけて迎えた最初のシングルス。錦織は第1セットを6―2で奪い、第2セットの第1ゲームをブレークしたところで、ダンセビッチがタイムアウトを要求。腹筋痛を訴え、そのまま棄権を申し出た。8171人の大歓声を浴びるウイニングショットを見せることはできなかったが、「きょうの勝利には複雑な気持ちもあるけれど、日本の2回戦進出は心からうれしい」と笑顔を見せた。

 初日のシングルス、2日目のダブルスに続く3日連続出場だった。第1セットは粘り強い守備から、相手のミスを誘い、第3ゲームでブレークに成功。これで流れに乗った。エース4本のサーブも好調で、ゲームを思うがままにコントロール。同じく3日連続の出場だったダンセビッチを左右に大きく走らせた。相手は次第に運動量が低下し、最後までコートに立っていられなかった。

 世界11位のラオニッチと同25位のポシュピシルの上位2選手の故障欠場にも助けられたとはいえ、大きな1勝だ。錦織が初めてデ杯に出場した08年はアジア・オセアニアゾーン1部にいた。「今まではWGに入ることが目標だった。2回戦に進むなんて信じられない気持ちもある」。錦織の成長とともに、日本はステップアップ。そして今回はほぼ1人の力で次なるステージに導き「3勝できたのは気持ちいいですね」と素直に喜んだ。

 かつては常にケガの不安が付きまとったが、ツアーで繰り返される厳しい戦いと日々の鍛錬で強じんな肉体に進化している。植田実監督は「フェデラーやナダルら3日連続で出てくる各国のNo・1の域に達してきていると感じた」と称えた。

 今後は錦織の独力で勝てるほど簡単なレベルではない。「みんなレベルアップしないと到底勝てない。でも、僕らはノープレッシャー。挑戦する気持ちで戦いたい」。日本の若きエースはそっと仲間たちの奮起も促していた。

 ▽デ杯(デビスカップ) 1900年に始まった男子の国別対抗戦。81年から始まったワールドグループ(WG)は16カ国で構成。下部は3地域に分かれた4部制。WG1回戦の敗戦国は入れ替え戦に回る。日本は初参加の21年に準優勝しているが戦後は低迷。WG制になってからは今回が4度目の本戦で、初めて突破した。

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