21歳山本6位 男子棒高跳び日本勢過去最高

[ 2013年8月14日 06:00 ]

5メートル65センチを成功。華麗な跳躍を見せる山本

世界陸上第3日

(8月12日 ロシア・モスクワ=ルジニキ競技場)
 モスクワの夜空に高く舞った。12日の男子棒高跳び決勝で、山本聖途(せいと、21=中京大)が日本勢の大会最高記録となる5メートル75をマーク。この種目では日本勢最高の6位入賞を果たした。連覇を狙った男子ハンマー投げの室伏広治(38=ミズノ)は78メートル03で6位。

 追い込まれてから、進化と真価を見せた。5メートル65を3度目でクリアした山本は5メートル75も2度、失敗した。後のない3度目。右脇がかすかにバーに触れたが成功し、何度も拳を突き上げた。大舞台で自己タイ記録をマークし、世界選手権では日本勢最高の6位入賞。「落ち着いて、普通にやれば跳べると思っていた。凄く楽しかった」と充実の笑みを浮かべた。

 6月の日本選手権で連覇、7月のユニバーシアードで銀メダル。順風のシーズンだったが、7月下旬に腰を痛めた。疲労骨折寸前という症状で、8月に入るまで練習ができなかった。10日の予選もギリギリの状態。この日も痛みがあったが「気にしないようにした」という。「不安があった中で5メートル75を跳べて自信になった」。中京大の先輩・室伏の指導で鍛えた体幹で、腰痛を克服した。

 初出場だった昨年のロンドン五輪は記録なしの屈辱を味わった。棒高跳びは他選手と風の状態、踏み切りのズレなどを互いにアドバイスする。ロンドンでは海外選手の輪に入っていけず孤独に散ったが、今大会は違う。積極的に交流することで結果につなげた。昨年から自己ベストを10センチ更新したが、精神面も含めた成長度は「50センチくらい上がっているんじゃないですか」と分析する。

 父・久義さんは男子100メートルで国体を制したこともある名スプリンター。父が「聖途」という名前に込めたのは「五輪の聖火台に向かって一途(いちず)に頑張れ」という思い。そして、山本がつけているネックレスに刻まれた「6」には2つの意味がある。「6位入賞と6メートルの“6”ですね」。一つの目標を達成し、日本人未到の大台へ。成長を続ける山本は、まだ夢の途中にいる。

 ▽日本の男子棒高跳び 32年ロサンゼルス五輪で西田修平が銀メダル、36年ベルリン五輪で西田が銀メダル、大江季雄が銅メダルを獲得した。戦後は52年ヘルシンキ五輪の沢田文吉の6位が最高で、山本は五輪、世界選手権を含めて戦後最高位タイとなった。

 ◆山本 聖途(やまもと・せいと)1992年(平4)3月11日生まれ、愛知県岡崎市出身の21歳。中学2年から棒高跳びを始め、岡崎城西高3年時に全国高校総体で6位。中京大に進学後、12年に学生新記録となる5メートル60をマークし、今年6月には5メートル75に更新。5メートル75は沢野大地の持つ5メートル83の日本記録に次ぐ日本歴代2位。1メートル79、70キロ。

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