エディージャパン 今度はカナダ逆転撃破、五郎丸が全得点

[ 2013年6月20日 06:00 ]

<日本・カナダ>前半、突進する広瀬

ラグビーパシフィックネーションズ杯 日本代表16―13カナダ代表

(6月19日 名古屋市・瑞穂ラグビー場)
 世界ランキング15位の日本は同13位のカナダに16―13で逆転勝ちし、初勝利を挙げた。前半を0―3で折り返し、6―10の後半22分に五郎丸歩(27=ヤマハ発動機)がトライを決めて逆転。その後、同点とされたが、32分の五郎丸のPGで勝ち越した。強豪ウェールズから歴史的勝利を挙げた15日のテストマッチ同様、後半に勝負強さを見せた。

 傘も差さず、びしょ濡れになりながら戦況を見守ったエディー・ジョーンズ・ヘッドコーチがうっすらと笑顔を浮かべていた。「一貫性が出てきた。以前なら最後の20分で負けていたかもしれない。伸びていることを実感した」。ミスが続き、先制を許し、トライも先に奪われた。それでも07、11年のW杯で引き分けたカナダを振り切った。

 歴史的金星を挙げたウェールズ戦から中3日。W杯本番の厳しい日程を見据えた試合は、スピードが武器の日本にとって最悪の雨。ハンドリングミスが相次ぎ、前半は攻め込んでも攻めきれず0―3。だが、全選手が分かっていた。「ここで負けたらウェールズ戦の価値がなくなる」。体現したのがFB五郎丸だ。後半、連続PGで逆転。再びビハインドとなった22分にはFWの素早い集散で連続攻撃を仕掛け、最後はポスト左にボールを持ち込んだ。「キープしていけば必ずチャンスがくると思っていた」。32分の決勝PGを含め、全16点を挙げた27歳は「成長の過程で勝たないといけない試合だった」と振り返った。

 世界トップ10入りを目標に掲げたエディー・ジャパンにとって、負けられない戦いで勝ちきったことは収穫だ。それでも世界最高峰の「スーパーリーグ」でプレーするSH田中は「もっとみんなが1つの方向に向かっていけるはず」と反省を口にした。それは、まだまだ伸びるチームの力を確信しているようでもあった。

 ▼クローリー・カナダ代表ヘッドコーチ 日本とは何度も対戦しているが、前回よりも強いチームになっている。今の監督がいいものを引き出しているのだろう。

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