白鵬“先生”女子中学生にお手本連勝!「いずれ教えに…」

[ 2012年9月11日 06:00 ]

<秋場所2日目>松鳳山(右)に押し込まれるも小手投げで勝った白鵬

大相撲秋場所2日目

(9月10日 両国国技館)
 横綱・白鵬は平幕・松鳳山を土俵際の小手投げで下して初顔に13連勝、3場所ぶりの賜杯奪還へ好発進。武道の授業の一環で観戦に訪れた女子中学生たちに第一人者の貫禄を示した。綱獲りの日馬富士ら6大関も全て勝ち名古屋場所6日目以来の上位陣安泰となった。
【取組結果】

 国技館に、聞き慣れない黄色い声援が響き、仏頂面の白鵬が思わず相好を崩した。今春から必修科目となった武道の授業の一環で、東京女学館中の2年生251人が大相撲観戦に訪れていた。

 打ち出し後、横綱は生徒代表の約20人と記念撮影。横綱の大ファンという生徒に「今場所また来ます」という言葉とともに熱い思いが込められたファンレターを手渡され、すっかり上機嫌。「これだけ若い女性(ファンに囲まれるの)は初めて。大相撲のファンになってくれれば今回は成功じゃないですかな」

 結びの一番は初顔の松鳳山に1度突っかけられた上、土俵際に押し込まれて2本差しを許すピンチ。慌てず対応し左小手投げで下したものの「いろいろ納得いかないところがある」と下唇を突き出し、不満を隠さなかった。そんな土俵上のうっ憤も“若い女性”に囲まれて吹き飛んだようだ。

 東京女学館中の福原孝明校長(61)は「日本の国技を知ってほしい」という思いと、比較的負傷の危険性が少ないという理由から相撲を授業に採用。生徒は7月までに相撲の歴史や所作の意味などを学んでおり、10月には実際にまわしを締め、土俵マットで実技に取り組む。

 横綱と対面したことで生徒の学習意欲はさらに高まったはずだが、それで終わりではない。白鵬は国技の普及、発展に尽力することが第一人者の責務と認識しており「現役の横綱として、やりがいを感じる。いずれ相撲を教えにいく機会もあるでしょう」と“武道の先生”を買って出る構えも見せた。胸を張って教壇に立つため、まずは3場所ぶりの賜杯奪還で横綱の偉大さを示す。

 ▽武道の必修化 文部科学省は08年3月に中学校学習指導要領の改定を告示し、新学習指導要領の保健体育(中学1、2年時)で12年度から男女ともに武道を必修とすることを決定。武道の伝統的な考え方を理解し、相手を尊重して練習や試合ができるようにすることが目的。柔道、剣道、相撲のうち、どの武道を選択するかは各中学校の判断に任される。

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