なぜ対抗馬なし?北の湖理事長 問題は文科省との力関係

[ 2012年1月31日 09:25 ]

4年ぶりに理事長に復帰し、抱負を語る北の湖理事長

 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で役員改選を行い、新理事10人(外部理事を除く)による互選で北の湖理事(元横綱)を理事長に選んだ。

 互選で対抗馬がいなかったのは、監督官庁の文科省に押される相撲協会の苦境がある。

 ガバナンス(組織統治)の整備や年寄名跡の問題など、文科省の意見を最優先してきた放駒前理事長に比べ、新理事長は理事時代から文科省寄りの外部理事にも遠慮なく注文をつけてきた。ある親方は「何よりも力士と角界を一番に考えてくれる」と期待する。

 しかし、文科省との対立が深刻になれば、公益法人制度改革にも大きな影響が出る。既に協会が管理すると決めた年寄名跡について「今後は協会が一括管理していかないといけない。資格問題もあるがそれを重視していかないといけない」と話し、評議員会など理解を深めていく方向だが、今後の話し合いによっては文科省と思惑がずれて問題がこじれる可能性もある。

 新理事長就任を受け、文科省は「この前工程表を出したばかり。放駒理事長の改革の方針を体制が変わっても継続して守ってほしい」と放駒路線の継承を求めた。

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2012年1月31日のニュース