大技回避も演技力で華麗に魅了 真央3季ぶりGP優勝

[ 2011年11月27日 06:00 ]

フィギュアGPロシア杯で優勝を決めた浅田真央のフリー

フィギュアスケートGPシリーズ第6戦ロシア杯最終日

(11月26日 モスクワ)
 女子フリーが行われ、浅田真央(21=中京大)が1位の118・96点をマーク。首位だったショートプログラム(SP)と合わせ合計183・25点とし、3季ぶりにGPシリーズで優勝した。GP8勝目は日本人単独最多で、12月9、10日のファイナル(カナダ・ケベック)の進出も決定。男子フリーでは、羽生結弦(ゆづる)(16=東北高)が158・88点で合計241・66点の自己ベストをマークして初優勝を飾った。

 少し首をかしげた後に、柔らかい笑みが広がった。演技を終えた浅田のしぐさと表情が、胸中を雄弁に物語っていた。「自分の演技の50%くらいしか出せなかった。うれしさと悔しさ、半分半分です」。08年12月のGPファイナル以来、3季ぶりのGPシリーズ制覇で日本人単独最多のGP8勝目。10年世界選手権以来、7大会ぶりの優勝。復活のタイトルを手に入れても、まだ満足感には浸れなかった。

 フリーは昨季と同じ「愛の夢」。演技冒頭、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、前日(25日)のSPに続いてダブルアクセルに。大技を回避して安全策をとったが、ジャンプにミスが出た。「ファイナルに行きたい気持ちで硬くなってしまった」。苦手の3回転ルッツではバランスを崩し、ダブルアクセル―3回転トーループでは、後ろの3回転をつけられず。3つまで可能なコンビネーションも2つしか実施できなかったが、ジャンプ以外の要素でライバルを圧倒した。

 3度のスピンとステップで最高評価のレベル4を獲得し、5項目の演技点ではハイレベルの8点台を2つマーク。トリプルアクセルがなくても“50%”の演技でも勝てる。これが今の浅田の強さだ。

 ファイナル進出は、ライバルのキム・ヨナを敵地・韓国で撃破した08年以来。「ファイナルに向けてレベルアップできるようにしたい。トリプルアクセルは入れたい」と大技への強い意欲を見せた。GPシリーズの上位6選手が集う大舞台。最高の演技を披露した時、浅田が最高のスマイルを浮かべる。

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2011年11月27日のニュース