荒技連発、鬼の出稽古…白鵬8連覇へ“朝青龍化”?!

[ 2011年7月5日 06:00 ]

豊響(左)を投げ捨てるなど、初日から気合の入った稽古を行った白鵬

 白鵬が“朝青龍化”!?大相撲名古屋場所(10日初日、愛知県体育館)で史上最多の8連覇を目指す横綱・白鵬(26=宮城野)が4日、愛知県犬山市の時津風部屋に出向き、小結・豪栄道らと20番取った。名古屋入り後初の出稽古は若手相手にやぐら投げ、はりま投げの大技に加え、強烈なかち上げにダメ押しと、やりたい放題。正統派の横綱が、引退した先輩横綱・朝青龍ばりの荒々しい稽古を見せた。

 豪栄道がもろ差しになって白鵬を寄り切ると、それまで静かだった稽古場に「おー」と驚きの声が響き渡った。同時に、冷静だった白鵬の闘争心も激しく燃え上がった。

 稽古場では受けて立つ立ち合いが多い横綱が、右腕を曲げて肘を前に出しながら強烈なかち上げを見舞う。豊ノ島はのど輪で、くの字にのけ反らせ、背中から土俵へ叩きつける。土佐豊には、はりま投げで後方へ放り投げたかと思えば、立て続けにやぐら投げの大技。土俵際で力を抜いた豪栄道はダメ押し気味に吹っ飛ばした。

 名古屋入り後、幕内相手の取組は魁聖と11番だけ。にもかかわらず初の出稽古で全開の動き。豪栄道の師匠・境川親方(元小結・両国)は「横綱は動きを確認しただけじゃないか」と苦笑いしたが、痛めつけられた土佐豊は「痛かったです。かち上げでクラッと来ました」と音を上げ、豊ノ島は「少しは慌てさせることもできたけど(出稽古)初日でこんなに強いんじゃ…」と舌を巻いた。

 朝青龍をほうふつさせる荒々しい稽古は、豪栄道に負けたことが一因のようだが、正統派のイメージを覆す大技連発は心身ともに準備が整った証拠。19勝1敗で稽古を終えた白鵬は「汗を流したというか、いい稽古になった。豪栄道?いいね」と話し車に乗り込んだ。場所前の稽古で痛めつけることで相手に恐怖心を植え付けて本場所に臨む。くしくも朝青龍と同じ手法で、その先輩横綱が持つ連覇記録更新に挑むことになった。

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