マキロイ“新帝王”だ!最少スコアで完全V

[ 2011年6月21日 06:00 ]

全米オープン最終日、18番のパットを沈め、ガッツポーズするマキロイ

USPGAツアー第111回全米オープン最終日

(6月19日 米メリーランド州ベセスダ コングレッショナルカントリークラブ=7574ヤード、パー71)
 ロリー・マキロイ(22=英国)が史上3人目となる4日連続の60台をマーク。4日間首位を走り、大会史上最少の通算16アンダー、268でメジャー初制覇を達成した。今季のマスターズでは4打のリードを守り切れず最終日に80を叩いて失速したが、全米オープンでは見事にリベンジ。2位ジェイソン・デー(23=オーストラリア)に8打差をつけ、記憶と記録に残る“完全制覇”を成し遂げた。

 記者会見場に姿を見せたマキロイは、目の前に置いたトロフィーを写真に撮ってツイッターに投稿。入力した言葉は「勝利(Winning)」と「復活(Bounceback)」の2つだった。4打差のリードを守りきれず80を叩いて首位から15位に沈んだマスターズ最終日から70日。記録満載の圧勝でメジャー初制覇を成し遂げた22歳は、2台のスマートフォンを操りながら会見の前に自らの心境を世界に発信してしまった。

 予選参加者を含め約9000人の頂点。「幸せ以上の気分。ここにいる父にこの優勝をささげたい。故郷(北アイルランド)にいる母にも感謝している」と語ったマキロイは、2歳でゴルフの手ほどきをしてくれた父ジェリーさんを抱きしめた。

 母ロージーさんはベルファスト郊外にある工場で夜勤、ジェリーさんはマキロイが所属していたゴルフ場のバーテンダーだけでなく、近所のラグビー場の清掃をしながら息子のプレー費を捻出した。優勝を決めた19日は父の日。コースで応援を続けたジェリーさんは「マスターズの後、あいつはくじけなかった。でも父の日に優勝するなんて信じられない」と目をうるませた。

 メジャー最多の18勝を挙げているニクラウスは「この少年は輝かしい経歴を持つことになる」と未来を語り、故障でツアーを離れているウッズも「最初から最後まで凄いパフォーマンスだった」とツイッターでつぶやいた。ブックメーカーのウィリアム・ヒルによる全英オープン(7月14日開幕)の優勝オッズは7倍から5・5倍に上がって1番人気。絶えて久しかった“新帝王”の誕生は、時代の移り変わりを象徴していた。

 【マキロイ記録メモ】

 ☆年齢 22歳46日でのメジャー制覇は第2次大戦後では史上2番目の若さ。最年少は97年マスターズのウッズで21歳100日。

 ☆スコア 268とアンダー数(16)、瞬間最多アンダー数(17)はいずれも大会記録。4日間連続の60台は全米オープンでは史上3人目で、初日から単独首位を続けての優勝は7人目。

 ☆パーオン率 72ホール中62ホールでパーオンに成功。86・1%は記録が残っている中では最高。

 ☆連覇 昨年は同じ北アイルランド(英国)出身のマクダウェルが優勝。米国勢は史上初めて5大会連続でメジャー制覇を逃した。

 ◆ロリー・マキロイ 1989年5月4日、英国(北アイルランド)ベルファスト郊外のハリウッド生まれの22歳。7歳でハリウッドGCの最年少メンバーとなり17歳でプロ転向。09年ドバイ・デザート・クラシックで欧州ツアー初勝利。10年クエイルホロー選手権で米ツアー初勝利。プロとしては今回を含め通算3勝。1メートル78、73キロ。

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