遼くん「リベンジできた」成長確信68締め30位

[ 2011年6月21日 06:00 ]

猛チャージで30位タイで終えた石川遼は、すがすがしい表情で記者の質問に答える

USPGAツアー第111回全米オープン最終日

(6月19日 米メリーランド州ベセスダ コングレッショナルカントリークラブ=7574ヤード、パー71)
 石川遼(19=パナソニック)が海外メジャー自己最多の6バーディーで全米オープンを締めくくった。3ボギーを叩いたものの、メジャー自己ベストに並ぶ68をマークし、通算2オーバー、286の30位でフィニッシュ。通算16アンダーで完全優勝した同世代のライバル、ロリー・マキロイ(22=英国)を刺激に7月の全英オープンでの飛躍を誓った。

 激闘の72ホールを終えた石川は天を仰ぎ、大きく息をついた。最終18番はボギーながらも、74と崩れた前日から一転、メジャー自己ベストタイとなる68をマークした。心地よい疲労と充実感が体を支配する。昨年の33位を上回る30位。日本ツアーで2試合連続予選落ちのどん底から、世界最高峰の舞台で輝きを取り戻し、「3日目のリベンジができた。去年より断然、手応えがある。自分が思ったよりはるかにやれた」と胸を張った。

 海外メジャー自己最多の6バーディーにメジャー仕様のアイアンショットの完成が見えた。「右手首の角度を考えていて、それがようやくできた。スイングの内容は4日間でずば抜けて良かった」。4番で9メートルのパットを沈めると5番は残り150ヤードを9Iで1メートルに付けて今大会初の連続バーディー。18ホール中3番目と難度の高い14番、同4番目の15番でも連続バーディーを奪った。

 5月の日本プロ選手権からアイアンをキャビティバックから、高低左右の打ち分けがしやすいマッスルバックに替えた。海外メジャーで使うのは今回が初めてで、手探りしながらのラウンドだった。前日までのパーオン率は56%で72人中65位。良いショットがある半面、ミスも目立ったが、ホールを追うごとに鋭さが出てきた。最終日は4日間で最も高いパーオン率72%が示すように、アイアンへの自信を深めた。

 今大会のバーディー以上の数は優勝したマキロイの20(1位)に対し、石川も16(7位)奪っている。その差はわずか4。しかし、スコアは18打差もついた。「良い時のアイアンは上位でプレーしている選手と同じくらい打てている。ミスの回数さえ少なくすればいい」と、ショットの精度を磨くことで勝利に近づけることを実感できた。

 3歳上の王者と一昨年のマスターズ予選ラウンドで同組となって以降、「どんな時でも振り切る、歯切れのいいスイングが魅力。スイングスピードも違う」とその攻撃的なゴルフを目標にしてきた。長くウッズが支配してきたゴルフ界にこの日、マキロイが風穴を開けた。「次元は彼がはるかに上だけど、刺激を受けた。日本で練習でぶつけたい。早く僕もメジャーで優勝争いをしたい」。全米オープンでまた一歩、成長を確信した19歳。マキロイとともに新時代の旗手になるべく、今度は7月の全英オープンに挑戦する。

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2011年6月21日のニュース