射撃の松田ら車で避難…石巻市で被災、立ち往生も

　東日本大震災で市街地が水没した宮城県石巻市で開催予定だったライフル射撃の全日本選手権が中止となり、前日練習中に被災したロンドン五輪代表第１号の松田知幸（３５）＝神奈川県警＝は１２日、車で宇都宮市まで避難し「パニックでどこに逃げればいいのかという状況だった」と語った。一部の選手らは車で移動中に福島県や宮城県で立ち往生している状況という。

　日本ライフル射撃協会によると、地震発生時には高台にある射撃場でも天井が落ちるなどした。その場に大会にエントリーした約２００人のうち５０人前後がいたが、無事を確認したという。

　世界選手権覇者の松田らは近くの老人ホームで一夜を過ごし、１２日朝から車で移動。「移動は車しかなかった。ほとんどの道が水没し、橋は決壊し、いろんな情報を集めた。大変だった。でもまだ予断を許さない状況だ」と神妙に話した。