力士が近隣園児に救いの手!保育士「ありがたかった」

[ 2011年3月12日 06:00 ]

両国国技館内に避難してきた保育園児、力士ら

 東北地方太平洋沖地震の影響で東京・両国国技館に避難していた陸奥部屋の力士が、人助けに一役買った。地震が起きた直後、近隣の保育園から園児たちが国技館に避難した際、先に避難していた陸奥部屋の力士数人が子供たちの乗ったカートを抱えて、安全な場所に運ぶなどして協力。保育士さんからは力士に対して感謝の言葉が贈られた。

 

 八百長問題がなければ、春場所に備えて大阪にいたはずの力士たちが小さな園児たちを守った。両国国技館と隅田川の間にある「菊川保育園・両国分園」では地震発生直後に大パニックに陥った。本棚などさまざまなものが床に倒れ、天井の蛍光灯がいまにも割れそうだったという。すぐさま園児14人全員がカートに乗せられて国技館へと避難。そこには陸奥親方(元大関・霧島)の呼びかけにより先に国技館に避難していた近隣にある陸奥部屋の力士たちが待ち構えていた。特別調査委員会から八百長疑惑がかけられている幕下・霧の若を含む力士約10人が園児たちの乗ったカートを軽々と持ち上げ、階段を上って国技館2階の安全な場所まで運んだ。

 園児を預かっている保育士の平田菜津美さん(25)は「(保育園で)いろいろ倒れていたし、国技館に避難することになった。こういう時に助けてもらって、ありがたかった。心ある力士さんに助けてもらった」と感謝の言葉を並べた。

 陸奥部屋の幕下・琉鵬は「たまたま園児が来たので」と話した上で「震源地でもないのにこれだけ揺れるのは怖かった。本当にびっくりした」と恐怖を感じながらの避難支援だったことを明かした。その後も余震が続いたが、力士たちは不安顔の園児たちのそばで見守り、元気づけた。午後6時すぎになって次々と家族が園児たちを迎えに来ると、力士たちもようやく胸をなでおろし、笑みを浮かべていた。

 

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