“八百長力士”の師匠、理事会から締め出しも

[ 2011年2月14日 06:00 ]

 日本相撲協会は14日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、八百長問題の全容解明に取り組んでいる特別調査委員会(座長・伊藤滋=早大特命教授)の中間報告を受ける。理事会では八百長を認めた竹縄親方(元幕内・春日錦)、十両・千代白鵬、三段目・恵那司らの処分を協議する可能性もあるが、一部理事は八百長問題に関与している力士の師匠である理事について「処分の議論に参加すべきではない」との見解を示した。

 相撲協会の臨時理事会から複数の理事が締め出される異例の事態となる可能性が出てきた。相撲協会は理事会で、八百長問題を調査している特別調査委の中間報告を受けるが、その内容次第では親方や力士の処分を話し合うことも予想される。そのため、一部の理事は「処分の議論になれば八百長問題関与者の師匠が参加するのは明らかにおかしい。その際は理事会(の場)から外に出るのではないか」と指摘した。

 対象となるのは、既に関与を認めている十両・千代白鵬の師匠・九重理事(元横綱・千代の富士)と特別調査委が「クロ」と判断した十両・清瀬海の師匠・北の湖理事(元横綱)、そして関与の疑惑がかけられている幕内・豊桜と幕下・霧の若の師匠である陸奥理事(元大関・霧島)の3人。八百長関与を認めている力士の処分については、相撲協会の現行制度で最も重い除名処分となるのは決定的で、それぞれの師匠にも「2階級降格」などの厳罰が下ることが濃厚。そんな重大な決定を協議する場所に“処分該当者”が参加すれば物議を醸すのは間違いない上に、彼らが処分の審議に参加すれば、師弟関係の心情が働くことも予想されるため、退出を余儀なくされるのは必至の情勢だ。

 理事会では他に竹縄親方、千代白鵬らに給与の支給を定めた9日の理事会決定を見直し、支給を保留する方向で話し合う見通し。ただ、八百長関与者らの処分については、特別調査委の調査を継続させるため理事会ではそこまで踏み込まないと考えられるが、協議する場合は相撲協会の最高決定機関である理事会のメンバーが重大事項の議論から外される異常事態となるのは避けられそうもない。

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2011年2月14日のニュース