谷さん 夫の佳知選手には13日に引退伝える

[ 2010年10月15日 20:33 ]

 20年に及ぶ競技人生の区切りでも涙は見せなかった。参院議員谷亮子さんは15日の引退会見で、終始すっきりした笑顔を見せた。年齢やトップレベルでは勝てなくなってきた“衰え”は認めず、勝ちにこだわり続けた柔道家の素顔ものぞいた。

 7月の参院選で初当選直後は「柔道を続けていけるよう努力したい」と話し、当選後も早朝や深夜、柔道の練習は続けていたという。

 一転し、引退を決めた理由は「国政に送り出してくれた一票一票を大切にして、日本のスポーツ全体の環境づくりに力を尽くしたいという気持ちが強くなった」。
 国民的人気を背景に「勝利」と「五輪での金メダル」を期待され続けた競技人生だった。

 「期待してもらえる選手であり続けることが大事だと思っていた。重圧と感じていたら(これだけ長く)やり続けることはできなかった」。応援してくれたファンへの感謝の言葉を繰り返した。

 夫のプロ野球巨人の谷佳知選手(37)に引退を伝えたのは13日夜だったと明かした。

 引退を決める際も「特に悩むことはなかった」という。既に心は柔道から離れているのか、「常に全力で取り組む姿勢は国政の場でも変わらない。その姿勢があったから(今までも)次のステージに進むことができた」とさばさば。

 印象に残っている試合として、15歳で世界デビューした福岡国際と、シドニー、アテネ、北京の五輪3大会を挙げた。

 会見には、谷さんの強い希望で民主党の小沢一郎元代表も同席した。冒頭で「政界入りをお願いした張本人として同席させていただいた。(引退は)本当にびっくり。残念」。「政治家の仕事を続けながら、今後も(柔道で)世界を目指して」と個人的な期待を口にすると、早々に会場を後にした。

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2010年10月15日のニュース