遼くん 400ヤード超えでモンスター退治だ!

[ 2010年8月5日 06:00 ]

入念にショットの練習を行う石川遼

 男子ゴルフの石川遼(18=パナソニック)が400ヤード超えのショットで「モンスター」に挑む。世界選手権シリーズ「ブリヂストン招待」(米アクロン・ファイアストーンCC=7400ヤード、パー70)は5日に開幕する。3日午後に米国入りした石川はラウンドこそしなかったものの早速、コースを訪れて練習。米ツアー最長のロングホールである16番パー5(667ヤード)では自己最長の400ヤードビッグドライブを狙う考えを示した。

 15時間以上の長旅の疲れも見せず、石川はコースに現れた。パットとショットの練習に2時間以上を費やし、初挑戦となる大会への意気込みを見せた。練習後、コースについての感想を求められると、目を輝かせて答えた。

 「16番はどれだけ打ち下ろしなのか楽しみにしてます」

 パー5の16番は、1960年の全米プロでアーノルド・パーマーがトリプルボギーを叩いた際に「このホールはモンスターだ」と嘆いて以来、「モンスター」が愛称となった。当時は625ヤードだったが、03年に42ヤード延長。667ヤードは昨年から米ツアー最長のパー5となり、難易度もツアー5番目と文字通りお化けホールとなっている。

 グリーン手前に池が配置されていることもあり、03年の改造以降、2オンしたのはわずか4人。だが、攻略法がないわけではない。それはティーからグリーンまでの高低差約10メートルを利用した400ヤード級のショットだ。300ヤード地点はほぼ平たんだが、320ヤード地点で下り坂になっており、一度なだらかになった後、340ヤード地点で再びグリーンに向かって下っている。コース・ディレクターのパジェット氏(35)は「320ヤード地点で最初にはねれば、その後、地面の硬さにもよるが80~100ヤード転がる可能性はある」と語った。

 実際に07年にB・ウェターリックが435ヤード、05年にS・アップルビーは427ヤードを飛ばすなど、過去に18人が400ヤード以上を記録。ただ、フェアウエーは右から左へも下っているため、320ヤードのキャリーで、かつフェアウエー右サイドに落とすことが条件となる。

 石川の日本ツアーでの平均飛距離は292ヤードだが、過去には追い風に乗って360ヤードを超えたこともある。「400ヤードはドラコンだってそうは出ない。フォローで地面が硬くて転がるという条件だとしても、他にそんなチャンスはない」と夢の大台へ意欲を見せた。パジェット氏も「若くて強いから可能性はある」と期待を寄せた。

 16番でバーディーやイーグルを取れれば、勢いに乗って上位進出も見えてくる。次戦のメジャー、全米プロ選手権に向けてもモンスター退治は何よりの弾みとなる。

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2010年8月5日のニュース