エンジン止まった…遼くん、全英から恐怖の帰国

[ 2010年7月21日 06:00 ]

トラブル騒ぎの起きた機体から降りてサテライトを歩く石川遼

 全英オープンで27位に終わった石川遼(18=パナソニック)が20日、あわや大惨事のアクシデントに巻き込まれた。石川が乗ったロンドン発成田行き全日空202便が燃料漏れの恐れがあるとして左エンジンを停止し、右エンジンだけの飛行で成田空港に緊急着陸した。成田空港には消防車12台、救急車3台が緊急配備されたが、乗客乗員266人にケガはなかった。石川にとってはまさに“恐怖のフライト”となった。

 成田空港の滑走路で異様な光景が繰り広げられた。着陸した全日空機を、消防車と救急車の計15台が追走し、停止した後もそのまま待機。そんな緊迫した状況の中、石川ら乗員乗客266人はサテライトへと降り立った。
 全英オープンに出場した石川、池田勇太らを乗せた英ロンドン発成田行き全日空202便に燃料漏れの疑いが発生したのは、ロシア上空約1万メートルを飛行中の日本時間午前8時ごろだった。機長が燃料の残量を確認したところ、右エンジンより左エンジンの方が減り方が早かったため、燃料漏れの可能性があると判断。左エンジンを停止した。
 成田国際空港株式会社広報室によれば、機長は近隣の空港に優先的に着陸できる「緊急宣言」を出した。ロシア国内に緊急着陸することも可能だったが、最終的に成田空港までの飛行を選択。成田空港側は消防車12台、救急車3台を万一の事態に備えて緊急配備した。
 エンジン1基でのフライトながら、それでも予定より約30分早い午後2時47分に無事着陸。全日空広報は「エンジン1基を止めて飛行するのは、珍しいことではない。消防車が待機するのもたまに見かける光景です」と説明した。だが、全日空による到着後の点検では左主翼の燃料管に燃料が漏れた跡が見つかっており、場合によっては大惨事となる可能性もあった。
 ただ、石川は「“飛行には何の問題もない”とのアナウンスだったので、気にしなかった。乗っているみなさんは落ち着いていたし、揺れることもなかった」とケロリ。スポンサーでもある全日空のテレビCMでは一日機長も務めた石川。まさかまさかのアクシデントだったが、ケガ人もなく無事着陸したことは何よりだった。

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2010年7月21日のニュース