白鵬43連勝で単独首位も「もう慣れました」

[ 2010年7月21日 20:32 ]

 【大相撲名古屋場所】43連勝と走り続ける白鵬が、当たり前のように単独トップに立った。一人横綱の責任を立派に果たしていることは言うまでもない。だがここまで周りがふがいなければ「何て言えばいいのかなあ」と言葉に詰まる気持ちもよく分かる。

 初黒星を喫した豊真将は12日目に大関琴欧洲との対戦が組まれており、友綱審判部長(元関脇魁輝)は「まずは大関3人と顔を合わせて、全勝同士で千秋楽に(白鵬戦)と思っていた。そういう取組を望んでいた」と話す。休場明けの平幕下位の力士に対し、横綱との全勝による千秋楽相星決戦にわずかな可能性を託さなければならないほどだから、事態は深刻だ。
 この現状を“演出”しているのは紛れもなく大関陣。時天空の変化に無策のまま敗れた琴欧洲は3敗目となり「最後まで頑張ります」と言うのが精いっぱいだった。把瑠都はやっと勝ち越し、日馬富士は魁皇の休場による不戦勝でようやく7勝目。白鵬に大きく離されている。
 野球賭博問題を抱えて幕を開けた今場所だが、終盤戦に入ると一部親方による“黒い交際”疑惑も浮上した。混迷の場所でまたも独走となりそうな白鵬は「もう慣れましたね」。あらゆる感情をしまい込んだ表情は、見ていて気の毒に映る。

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2010年7月21日のニュース