人数多すぎて…北の湖部屋 玄関前でしこも

[ 2010年6月4日 06:00 ]

大所帯での稽古が始まった北の湖部屋

 暴力団観戦問題で消滅した木瀬部屋の力士27人らを受け入れた北の湖部屋で3日、吸収合併後初の稽古が行われた。総勢42人の力士がしこや腕立て伏せなどの基本運動を行ったが、あまりの大所帯のため、一部の力士が稽古場に入れず玄関前でしこを踏んだり、途中2組に分かれて稽古する場面もあった。新・北の湖部屋は熱気に包まれて再スタートを切った。

 再出発した北の湖部屋の稽古場は力士であふれかえった。引っ越し作業が一段落したこの日、旧木瀬部屋の力士らが転属してから初めての朝稽古が午前8時から始まった。参加したのは力士46人中42人。北の湖親方は所用で不在だったが、部屋付きとなった木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)らが見守る中、しこ、すり足、腕立て伏せなど基本運動を約1時間こなした。

 ところが、いきなり問題が発生した。開始直後、42人が4列に並んで同時にしこを踏みだしたが、全員が稽古場に入りきらず、若手3人は玄関前でしこを踏むことになった。すり足は全力士が並んで順番に行ったが、腕立て伏せはそういうわけにいかない。部屋付きの山響親方(元幕内・巌雄)の「半分ずつやれ」との指示で2組に分かれて行うことになった。

 このままでは稽古量が減ってしまうため、山響親方は「近所の迷惑にならない程度に外で腕立てや腰降ろしをやろうと思う」と今後、基本運動は稽古場の前の路上で行う案を明かした。

 夏場所は19人だった力士が一気に2倍以上に増えたため食事面でも大きな変化があった。これまでは1食分で4升の米を炊いていたが、この日から8升に倍増。ちゃんこも従来の倍の100杯分を準備して何とか対応した。生活面の影響もある。部屋頭の幕内・北太樹は「朝トイレの前が渋滞する」と苦笑する。

 騒動の当事者の木瀬親方は「力士が土俵で稽古できるのがこんなにありがたいことだと初めて感じた」と神妙に話したが、同じ出羽海一門で以前から交流があったため、力士の表情は一様に明るい。5日からはぶつかりや申し合いなど本格的な稽古を始める予定。角界一の大所帯には問題も生じているが、46人の熱気で不安は吹っ飛びそうだ。

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2010年6月4日のニュース