遼くんメジャー自己最高2位発進「58より手応え」

[ 2010年6月4日 06:00 ]

<日本ツアー選手権 初日>6番で松の枝の下に入りSWを短く持ち第3打を放つ石川遼

 男子ゴルフツアー日本ツアー選手権シティ杯宍戸第1日は3日、茨城県笠間市の宍戸ヒルズカントリークラブ西コース(7349ヤード、パー71)で行われ、石川遼(18=パナソニック)がメジャー自己最高の2位発進した。4バーディー、3ボギーの70で回り、このコースで初めてアンダーパーをマーク。5番パー5では松の木の下に潜り込んでの“キャタピラー(いも虫)ショット”でピンチを切り抜けると、15番パー5では豪快な直ドラからバーディーを奪取。見どころ満載の18ホールでメジャー初制覇に向けて最高のスタートを切った。宮本勝昌(37=ハートンホテル)が5バーディー、3ボギーの69で単独首位に立った。

【第1R成績】

 自分の身長よりも低いところにある松の枝の下にもぞもぞと潜り込んだ。6番パー5のグリーンサイドからの3打目。石川はサンドウエッジを半分以上短く持ち、両ひざをついた体勢で、いも虫のように身をかがめてボールをかき出した。

 「今まであんな体勢で打ったことはない。ボールと顔がもの凄く近かったですね」
 グリーンを狙った2打目が右にそれ、バンカー内にある大きな岩、さらにカート道で弾んであわやOBになるところだった。しかし、OBゾーン手前の木にはね返ったおかげで命拾い。無理な体勢からは3ヤードかき出すのが精いっぱいだったが、4打目をしっかりと寄せてパーで切り抜けた。

 「宍戸のアーメンコーナー」と警戒していた7~10番の4ホールも1アンダーで切り抜けると、連続ボギーを叩いた直後の15番パー5では得意のドライバーが火を噴いた。残り300ヤードの2打目、「自分にいい流れを引き戻そうという一心だった」と直ドラを選択。芝の薄いフェアウエー、アゲンストの風、左足下がりの難条件をものともせず、「今までの直ドラで一番いいショット」という会心の一打を放った。602ヤードのホールで2オンに2ヤードまで迫り、楽々のバーディーとなった。

 今大会は3度目の出場。ラフの長さは例年ほどではないが、グリーンは硬く、風も強かった。「僕がプレーした宍戸の中でも一番コンディションが難しかった」。その中で初めてのアンダーパーをマークした。「凄く楽しんでゴルフができた。僕の中では和合の58よりも、きょうの70の方が手応えがありますね」。世界記録の58をも上回る充実感。その先には初のメジャー制覇が待っているのかもしれない。

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2010年6月4日のニュース