かつてのアイドルスイマー…夢じゃない!日本代表復帰

[ 2010年3月17日 08:56 ]

2009年の新潟国体で5年ぶりに現役復帰し、成年女子50メートル自由形で優勝した萩原智子

 2000年シドニー五輪代表で、昨年5年ぶりに現役復帰した競泳女子の萩原智子(山梨学院大職)が日本代表返り咲きを狙い、4月の日本選手権に向けて着実にステップを踏んでいる。かつては背泳ぎや個人メドレーでも活躍した万能スイマーは、復帰後は日本と世界の差が大きい自由形の短距離種目一本に絞った。4月で30歳になるベテランは「日本の女子自由形を強くしたい」と燃えている。

 年明けのグアム合宿で10代の選手とともに泳ぎこみ体を絞ってきた。海外招待選手も参加した2月末の日本短水路選手権では、力強い泳ぎで50メートル自由形で日本勢トップの4位、100メートル自由形では上田春佳(東京SC)に続く日本選手2番目の6位に。「スピードに乗るとまだしっかり水を後ろにかけていない」と言うものの、実力健在をしっかり印象づけた。
 アテネ五輪代表選考会で代表入りを逃した04年に引退。06年に結婚し母校の山梨学院大で指導を手伝っていたが、取材で訪れた08年の北京五輪で「アスリートとしての気持ちがわいた」と現役復帰を決めた。充電期間を経たことで「水泳に本気で向き合いたいという気持ちが出てきた」。練習嫌いの意識が変わった。
 「もう一度やると決めてから生活も行動もすべて“ファイター”に切り替わった」と夫の佐藤一馬さんは言う。その存在は、21歳のライバル上田ら若手にもいい刺激を与えている。「いまは何事も楽しい。練習もつい追い込んでやってしまう」。“ハギトモ”は充実感を感じ、競技に没頭している。

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2010年3月17日のニュース