低迷男子マラソンに新星!エリート街道と無縁の26歳

[ 2010年2月16日 07:33 ]

別府大分毎日マラソンで4位の井川重史=7日

 低迷が続く日本男子マラソン界に期待の新鋭が現れた。今月初旬の別府大分毎日マラソンで、一般参加ながら2時間11分4秒で日本勢最高の4位と健闘した26歳の井川重史(大塚製薬)。初マラソンの感想を問われ「もっときついと思ったけど意外と大丈夫だった」。淡々とした語り口に飛躍の可能性を感じさせた。

 エリート街道と無縁の存在だ。大阪・河南高、京産大時代は目立った実績もなく、実業団で実力を伸ばした。「箱根駅伝を走った選手でも社会人になってしまえば同じ。自分は“大器晩成”と呼ばれたい」と強気な一面をのぞかせる。河野匡監督は教え子の武器を「人間力」と表現し「いい意味でプライドも高いし、向上心がある。打てば響くタイプ」と分析した。
 「新人の登竜門」とも呼ばれる大会で積極性を前面に出したレースだった。前半は集団の中で落ち着き、35キロ以降に先頭に出て再三仕掛ける度胸と冷静さを見せた。最後はスプリント勝負で外国勢に敗れたが「思ったより楽だった。結構面白かったのでまたやりたい」と明るく語った。
 最近、若手のマラソン離れに危機感を持っている陸上関係者は多い。だが井川は「マラソンのためにトラックの目標タイムを決め、それを破ってから挑戦」と綿密な計画を立て、五輪や世界選手権も視野に入れる。シドニー五輪マラソン代表の犬伏孝行ヘッドコーチは「マラソンの適性があるのは分かっていた」と期待を込めた。

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2010年2月16日のニュース