“鉄人”魁皇 幕内在位大台へカウントダウン

[ 2009年9月1日 06:00 ]

愛犬のトイプードル“シェビ”を初公開する魁皇

 日本相撲協会は31日、大相撲秋場所(13日初日、両国国技館)の新番付を発表し、大関・魁皇が高見山と並び史上1位の幕内在位97場所目を迎えた。引退の危機を何度も乗り越えてきた鉄人大関は、今年も4場所すべてで勝ち越し。12月には故郷の福岡・直方市で15年ぶりの巡業開催が決定し、前人未到の在位100場所に向けモチベーションを高めている。2連覇を目指す横綱・白鵬は3場所連続で東の正位。昭和の大横綱、双葉山と並ぶ12度目の優勝を狙う。

 記録に対して恐ろしいほどの無関心を貫く魁皇だが、幕内在位だけにはこだわりを見せている。93年夏場所の新入幕から秋場所が97場所目。高見山(前東関親方)と並ぶ史上1位の金字塔に「一番分かりやすい数字だし、自分でも唯一意識している」と話した。
 名古屋場所中に37歳を迎えた肉体はボロボロだ。昨年の九州場所前に右ふくらはぎ、強行出場した場所中にも左上腕を負傷。この時はさすがに引退を覚悟したが、直後の冬巡業を回避して治療に専念したのが吉と出た。最大の危機を脱し、今年は4場所連続で勝ち越し。「巡業を休むのは心苦しかったが、リハビリすると治るんだな、これが」。長続きの秘けつは日頃の入念な治療だという。場所中は取組を終えると2時間以上のマッサージで体をほぐし、普段も時間があれば治療院に足を運んでいる。
 名古屋場所で勝ち越しを決め、22回目となる地元・九州場所も大関として凱旋することが確実となった。しかも、場所後の12月9日には故郷の福岡・直方市で15年ぶりの巡業開催が決定。「(15年前は)あまりいい思い出がなかったからね」と本人は苦笑いするものの、関係者は「直方巡業までは現役として頑張りたいと思っている。それも発奮材料になっている」と明かす。九州場所で勝ち越せば「在位100場所」も確定するが、鉄人大関にはたやすいことかもしれない。

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2009年9月1日のニュース