バーディー発進で緊張…遼くん113位発進

[ 2009年2月21日 06:00 ]

5番Hで大木の根元からセカンドショットを放つ石川遼

 石川遼(17=パナソニック)の米ツアーデビューラウンドは、ほろ苦い結果となった。USPGAツアーのノーザントラスト・オープン第1日は19日、米カリフォルニア州パシフィックパリセーズのリビエラ・カントリークラブ(7298ヤード、パー71)で開幕。スタートホールで幸先よくバーディーを奪ったものの、それが緊張を増幅させる皮肉な展開に。最後まで硬さが取れず、ショットもパットも18ホールを通じて精彩を欠いた。初日に日没サスペンデッドとなった4選手がホールアウトした20日の第1ラウンド終了後で2オーバーの113位。予選通過の70位以内を目標に第2ラウンドでの巻き返しに挑む。

【ホール・バイ・ホール詳細結果 /遼くん米ツアーデビュー戦特集】

 胸が高鳴る。頭の中が真っ白になっていく。体がなんだか思うように動かない。あこがれ続けてきた米ツアーの舞台。1番のティーグラウンドに立った石川は、経験したことのない緊張感に襲われていた。

 「体の硬さ、頭の回転の悪さ、1番のティーに立った時から、きょうはいいプレーができないと思っていた。1番から18番まで緊張感が抜けた時が一度もなかった」。いつもポジティブな石川にしては珍しい心理状態。ホールアウトして食事を取り、練習を終えた後でも「まだ緊張しています」と話すほどだった。

 それでも、1番の記念すべき米ツアー第1打は、打ち下ろしで320ヤード先のフェアウエーをとらえた。1番パー5はもっとも難易度の低いチャンスホール。4Iで2オンに成功すると1・5メートルのバーディーパットを沈め、米ツアーの“バーディーデビュー”を飾った。

 しかし、これ以上ないように見えたバーディースタートが、石川の混乱に拍車をかけた。1番のティーショットは1Wのヒール(手前)寄りで、2打目も芯ではなく薄めの当たりだった。不満足な2つのショットで得たバーディー。「体の硬さと裏腹に球が真っすぐ飛んでくれて、何をどう直したらいいか分からなくなった。何かを変える勇気も出なかった」と1番後の混乱を振り返った。

 不安定なショットでチャンスはつくれない。だが、この日最も苦しんだのは、パットだった。直後の2番と5番で約1メートルのパットを外してボギー。7番では1・5メートルから3パットし、まさかのダブルボギーを叩いた。

 「ショートパットのヘッドの動きがスムーズじゃなくて、考えている方向に打ち出せなかった」とストロークの乱れから左にひっかけるミスを悔やんだが、芝の違いも敵となった。今大会のグリーンの芝は、最も一般的なベントに加え、日本でほとんど使われていないポアナが混生。芯が硬いため、打ち出しで球が跳ねることがあるほど転がりが違う。慣れない芝の影響で、距離感を合わせるのに苦労した。

 米ツアーデビューラウンドは113位。「あしたはピンだけを見て攻めていきたい。“調子はいい”とプラスに考えて躍動感のあるプレーをしたい」と石川は気持ちを奮い立たせた。日本でも米国でも注目を浴びる17歳。その真価を発揮すれば、予選通過の目標は見えてくる。

続きを表示

2009年2月21日のニュース