江連“コーチ”ドキドキ暫定5位

[ 2008年4月26日 06:00 ]

ホールアウト後、ファンのサインに応じる江連(左)

 男子ゴルフツアーのつるやオープン第2日は25日、兵庫県川西市の山の原ゴルフクラブ・山の原コース(6770ヤード、パー71)で第1ラウンドの残りと第2ラウンドを行い、日没サスペンデッドのため35人が競技を終了できなかった。上田桃子のコーチでもある江連忠(39=E・T・G・A)が通算6アンダー、136の暫定5位で優勝争いに名乗り。石川遼は通算1アンダー、141で同35位につけた。1ホールを残して通算12アンダーとした岩田寛(27=仙台CC)が暫定首位。26日は第2ラウンドの残りと第3ラウンドが行われる。

【第2ラウンド成績


 トッププロを次々と送り出すコーチが、本人も驚くバーディーラッシュで優勝争いに加わった。「予選通過を目指してドキドキしていた」。予選通過となると01年のマンシングウェアKSB以来7年ぶり。普段は客観的にゴルフを見つめる江連も、自分のこととなるとやはり冷静ではいられなかった。

 第2ラウンド後半の3番パー4、PWで3メートルに寄せてバーディーを奪うと、5番まで3連続バーディー。第1ラウンドの残りと第2ラウンドの計30ホールの長丁場にも「アドレナリンが出たから全然疲れなかった」とスコアを6つ伸ばし、暫定5位につけた。

 96年に米国留学して理論を学び、00年に片山晋呉、03年に伊澤利光を賞金王へと導いた。昨年は上田桃子が賞金女王となり、指導者としての名声は十分手にしている。だが、一方で選手としての欲も衰えてはいない。開校5年の江連忠ゴルフアカデミーで若手とラウンドしながら見本を示し、自身の技術も磨いてきた。昨年末にツアー出場権を獲得できる予選会の最終予選まで進み、手応えを得たことで、開幕戦とつるやオープンの招待を受けた。

 米国では上田が首位発進。今大会も教え子の岩田が暫定首位、かつて指導した片山も3位と国内外のトーナメントは“江連一色”。「(片山)晋呉には終わったら14打差くらいつけられるよ」と出来過ぎを強調したが、「弟子と自分なら、そりゃ自分が勝つ方がうれしい。もし勝ったらコーチをやりながら試合を選ぼうかな」と舌も滑らか。上田らのキャディーも務めるなど常に後方で支える師匠は、表舞台に立って笑いが止まらなかった。

 ◆江連 忠(えづれ・ただし)1968年(昭43)9月30日、東京都生まれの39歳。日大桜ケ丘高から米フロリダ大留学。レッスンプロの第一人者ジム・マクリーンに師事し理論を学ぶ。93年プロテスト合格。94年KBCオーガスタ4位が最高成績。卓越した理論で日本のプロコーチの先駆けとなり、多くの選手を育てた。現在は上田桃子のほか、諸見里しのぶ、星野英正らを指導する。1メートル80、77キロ。

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2008年4月26日のニュース