JOC バスケ協会に退会処分も

[ 2008年3月5日 06:00 ]

記者会見するJOC加盟団体審査委の市原則之委員長

 日本オリンピック委員会(JOC)は4日の加盟団体審査委員会で、混迷が続く日本バスケットボール協会に対し、退会処分に相当するという異例の厳罰を決めた。JOCが正加盟団体に「退会」という文言を盛り込んだ処分を決めるのは初めて。ただし、規定にはない一定期間の資格停止処分とする意見のJOC幹部もおり、処分内容は12日の常務理事会で検討の上、18日の理事会、評議員会で最終決定する。

 日本開催の06年世界選手権で生じた約13億円の赤字の処理に端を発し、昨年から日本バスケットボール協会内の人事対立が表面化。7度も評議員会が流会した同協会の運営停滞を問題視したJOCは、1月28日付の文書で役員選出をJOCとの協議、同意の下で行うように通知した。
 しかし、同協会は2日、JOCに連絡なしで臨時評議員会を開き、麻生太郎衆院議員を会長候補とする次期役員候補を承認した。審査委の市原則之委員長はこれを「強引な手法」と強く非難し、25人も欠席した臨時評議員会は「協会の総意ではない」と判断。一方的に評議員を増員するなどした石川武会長代行の独善的な組織運営と断じ、JOCの指導や助言を無視した役員選考が重大なルール違反として今回の結論に至った。
 JOCは昨年12月に同協会への選手強化交付金中止を決定済み。だが、退会となれば補助金や交付金を一切支給しないことになる。市原委員長は「約1年間も選手無視の権力闘争を行い、60数万人の登録競技者を抱える団体として社会的責任が欠如している」と厳しい表情で話した。

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2008年3月5日のニュース