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イラン 後継の最高指導者モジタバ師 反米継承 トランプ氏「気に入らない」 イスラエルは殺害対象と警告

[ 2026年3月10日 05:30 ]

 イランの最高指導者を選出する「専門家会議」は9日、殺害されたアリ・ハメネイ師の次男モジタバ・ハメネイ師(56)を選出したと発表した。国営テレビが報じた。1979年以降続くイスラム革命体制の第3代最高指導者として、父親の反米強硬路線を引き継ぐ構えだ。トランプ米大統領は米FOXニュースに「気に入らない」と述べて不快感を表明したという。イスラエルは殺害対象になると警告。実際に殺害を試み、モジタバ師は負傷しているという報道もある。

 モジタバ師は革命体制を支える「革命防衛隊」などの軍事組織と密接な関係にある。革命防衛隊は9日、モジタバ師への忠誠を表明。ペゼシュキアン大統領も選出について「国家の結束を強固にしようとする国の意思表示だ」とする声明を出した。イラン指導層は、ハメネイ師の直系であり、考え方も極めて近い新指導者を選出することで、体制転換に言及したトランプ氏に屈しない姿勢を明確にした。

 首都テヘランではモジタバ師の選出を祝福する市民も多く見られた。一方、イランでは昨年末から1月中旬にかけ、経済難に端を発した反政府デモが全土に広がっており、最高権力者の地位が父から息子に「世襲」されたことで、国民の反発がさらに高まる可能性がある。イラン情勢はさらに混迷を深める可能性が高そうだ。

 トランプ氏は9日、イスラエルメディアの取材に応じ、イラン攻撃の終了時期について「ネタニヤフ首相と合意すれば」という条件を述べた。最終決定は「私が決断する」とも話した。

 《父の執務陰で支える》モジタバ師は高校卒業後にイラン革命防衛隊に入隊した。80年代のイラン・イラク戦争に従軍。高位聖職者に師事し、自らも聖職者の道を歩んだ。こうした経験や父のハメネイ師が最高指導者になったことで、宗教指導者らとの親交を深め、ハメネイ師の執務を陰で支えてきた。

 09年ごろから度々起こった反政権運動や民主化運動で弾圧に関与したとして、19年には米制裁対象となった。そのため、反体制派からの反発は大きい。ロイター通信は「父親よりも強硬派で、復讐(ふくしゅう)を果たそうとする」と報じた。

 聖職者だが、イランの憲法が最高指導者の要件とする高位のイスラム法学者ではない。政権運営によっては、世襲での決定が政府内からも議論を呼ぶことになりそうだ。

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