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船越監督 Uー20W杯初優勝へ決意示す “新しい日本サッカー”でロス五輪、W杯へつなぐ

[ 2025年8月21日 05:00 ]

インタビューで笑顔を見せる船越監督(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 サッカーU―20W杯チリ大会は来月27日に開幕する。2年に1度の開催で、4大会連続出場の日本代表は、1次リーグでチリ、エジプト、ニュージーランドと対戦する。世界中の有望株が集結するアンダーカテゴリー最高位の大会で、メンバーは28年ロサンゼルス五輪世代が中心。スポニチ本紙の単独インタビューに応じた船越優蔵監督(48)は初優勝を目標に掲げ、五輪はもちろん、A代表、W杯へとつながる重要な舞台と位置づけた。(取材・構成 滝本 雄大)

 A代表が目指す最高の景色の前に、まずは若武者たちが歴史を塗り替える。過去最高成績は前身のワールドユースで小野伸二らを擁した99年ナイジェリア大会の準優勝。開幕を約1カ月後に控え、船越監督は初の頂点へ決意を示した。

 「ワクワクしているし、待ち遠しいというのが率直な感情。目標は“新しい歴史をつくろう”と言っているので、そこ(頂点)まで勝ち続けることが一番だと思う」

 新たな景色へ、キーワードに掲げてきたのが“新しい日本サッカー”だ。日本が長所とする組織力や献身性などに加え、数的不利の状況を1人で打開できるような個の強さ、ボール奪取力、圧倒する個人技の融合を求めている。

 「グループでのプレーや規律など、元々持っている日本人の良さがある。そういう部分は海外の指導者からも、こんな素晴らしいチームはないと言ってもらえる。世界が認める武器を使わない手はない。そこはブラッシュアップしながら1対2でもボール奪取できる選手や、相手が3人でも突破してシュートを決める選手を求めていく」

 U―20W杯は五輪やA代表にもつながる舞台。船越監督がコーチとして参加した前回の23年アルゼンチン大会では、当時18歳で川崎Fのトップチームに昇格したばかりのDF高井幸大が全3試合に出場。翌24年のパリ五輪出場とA代表デビュー、さらには今年7月にプレミアリーグのトットナム移籍と大きく羽ばたいた。

 「最終目標はA代表でW杯出場と決まっている中で、世界と戦う、若いうちに本気の勝負を経験できることでこんなに成長スピードを上げられることはない。“可愛い子には旅をさせろ”じゃないけど、若いうちに挫折を覚えたり、もしくは自信を深めたり、それを経験できることは大きい。前回大会後のアンケートでも、全選手からそういう言葉があった。招集に制限がある育成年代にとって、国を背負った本当の真剣勝負ができるのはU―20W杯しかない」

 U―20は大岩監督の下でロス五輪を目指す世代でもある。7月には大岩監督がロス世代の初招集組を中心にU―22代表を編成し、ウズベキスタンの大会で優勝。両指揮官での密な連携で戦力の底上げを図っている。船越監督が日本協会に要望し、羽田憲司コーチや越智滋之テクニカル担当らスタッフが両体制に入閣したことで、一貫した指導や情報共有もスムーズだ。

 「1カテゴリー2チームという形でやっている。コミュニケーションが取りやすく、基準を合わせやすいことは大きなメリット。今はラージリース(戦力層)のピラミッドを厚く、大きくしようと話している」

 今後はメンバー選考を経て大会へ臨む。海外組では1メートル90の長身FW道脇豊(ベベレン)や高速FW高岡伶颯(バランシエンヌ)らの選出が濃厚。国内組は既にA代表デビューした司令塔のMF佐藤龍之介(岡山)、主将としてチームを引っ張る屈強DF市原吏音(J2大宮)、GK荒木琉偉(G大阪)ら常連組に加え、ウズベキスタン遠征でアピールした18歳MF新川志音ら高校年代も割って入る可能性がある。

 「素晴らしい選手たちがたくさんいる。その中からしっかり(W杯登録の)21人を選ぶ。まずは誰一人ケガで欠けることなく1次リーグを突破すること。総合力は日本の方があると思っているので、あとは(決勝まで)残り4試合を戦う。選手たちには、いつでもA代表でW杯に行けるように国際大会で戦える基準を発揮してほしい」

 才能あふれる有望株集団がチリから道を切り開いていく。

 ≪Aマッチウイーク期間外≫ロス五輪世代は今秋まで船越監督率いるU―20、大岩監督率いるU―22による“1カテゴリー2チーム制”で活動する。大岩監督は「U―20W杯が最優先」とし、船越監督の要望を聞きながら視察や選手選考を実施。U―20W杯は基本的に世代の中心や常連組を招集する見通しだが、国際サッカー連盟(FIFA)が定める国際Aマッチウイーク(IW)期間外のため、海外組の参加可否は不透明だ。

 一方、来月3日開幕のU―23アジア杯予選はA代表と同じIW期間内で、日本協会に拘束力があり海外組の招集に障壁はない。U―23の大会だが、大岩監督は基本的にロス世代を中心に臨む方針。FW後藤啓介(シントトロイデン)やFW塩貝健人(NECナイメヘン)ら一部海外組をU―20W杯に招集できない場合、U―23アジア杯予選に参戦させる可能性もある。

 ◇船越 優蔵(ふなこし・ゆうぞう)1977年(昭52)6月12日生まれ、兵庫県出身の48歳。96年に国見高からG大阪入りし、その後はオランダ2部テルスター、新潟、東京Vなどでプレー。1メートル94の長身を生かしてFWとして活躍した。10年の現役引退後は指導者キャリアをスタート。11年から新潟U―13、15年からJFAアカデミー福島で監督を務め、20年から日本代表の育成年代に携わっている。

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