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【女子W杯】元INAC神戸監督・朴康造氏 “壁”打破へ日本の良さである技術を突き詰めていくべき

[ 2023年8月12日 05:20 ]

女子W杯オーストラリア・ニュージーランド大会決勝トーナメント準々決勝   日本1―2スウェーデン ( 2023年8月11日    イーデン・パーク )

<日本・スウェーデン>なでしこを懸命に応援するサポーターたち(AP)
Photo By AP

 【朴康造の目】前半、スウェーデンの切り替えのスピードには驚いた。日本としてはスペイン戦でうまくいったゲームプランを持っていたはずで、ブロックを敷きながら、前向きにボールを奪ってからカウンターという狙いがあったと思う。ただ、日本がボールを取っても凄い速さで奪い返しに来て、崩すスペースが見つからなかった。

 相手のサイドバックもリスクのある攻撃参加はせず、日本が突くべき隙を与えてくれなかった。でも、後半途中から植木選手が出てきて、少しずつ流れが変わった。前線からの積極的なチェイシングやポストプレー。終盤はボールを保持して攻められただけに、もう少し早く日本の時間帯に持ち込めていれば…というのが悔やまれる。

 今後、この壁を突破するためにどうするべきか。フィジカルの差を埋めるのは簡単ではないだけに、日本の良さである技術を突き詰めていくべきだと思う。実際に、この大会では宮沢選手ら個の台頭もあった。また、フィールドプレーヤー全員が出場できた上に、誰が出ても試合の質は下がらなかった。レベルの底上げができている証拠で、より高めていってほしい。

 最後に。この試合で最も驚かされたのが、観客の多さ。満員のようなスタンドで選手たちもモチベーションは上がっただろうし、WEリーグでは現状、そういった環境はない。日本の女子サッカーに対する関心が増せば、選手の意識も上がる。W杯の熱量が国内リーグにつながることを願う。(元INAC神戸監督)

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