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SNSの理想型…C大阪・上門がサポーターに捧げる復帰弾

[ 2023年5月20日 21:31 ]

明治安田生命J1リーグ第14節   C大阪2―0湘南 ( 2023年5月20日    レモンガススタジアム平塚 )

C大阪・上門
Photo By スポニチ

 C大阪が2試合連続のクリーンシートで今季2度目の2連勝。10年のJ1復帰から続く湘南とのアウェー戦での不敗神話を8に伸ばした。後半27分から途中出場したFW上門知樹が1―0の後半44分、カウンターから抜け出して右足で流し込み、貴重な追加点となる2点目を挙げた。

 「今日のゴールは、サポーターに捧げるゴールです」

 上門は特別な思いを胸に、この一戦に臨んでいた。5月7日の鹿島戦(ヨドコウ)でレッドカードをもらい一発退場。前節の京都戦(サンガS)は出場停止となっていた。

 問題となったプレーは、決して故意ではないことは映像を見れば明らかだ。全力でやった結果だが、確かに危険なプレーだったこともまた事実。背番号7も猛省したが、やってしまったことは戻ってこない。「次の日まで落ち込んだ」と振り返るほど、精神的ダメージは大きかったが、救ったのはSNSのダイレクトメッセージ(DM)だった。

 試合終了の直後から、次々と通知がくるスマートフォン。C大阪のサポーターからだった。

 「笑ってない上門さんは見たくないよ!」

 「必ず待ってるから」

 例えばプロ野球界では、過去に中日・福敬登が被害届を提出し、今季開幕前には12球団、選手会などが注意を喚起する共同声明を出すほど、SNSでの誹謗(ひぼう)中傷は深刻な社会問題となっている。上門も「それが怖かった」と打ち明けたが、そのようなDMは一つも来なかったという。「皆さん本当にあたたかいメッセージをくれましたし、これだけサポーターに愛されているんだなと感じました。サポーターたちのために、このチームで優勝したいという思いがまた強くなった」。心の底からの感謝を、ゴールという最高の結果でアウェーの地に駆けつけた桜色のサポーターに届けた。

 どんなプロスポーツ選手も一人の人間。プロである以上、批判されることはあっても、誹謗中傷されるいわれはない。「セレッソののサポーターは素晴らしい人たちばっかりだなというのを改めて感じましたし、それがあったから今日がある」と、最後まで上門の口から感謝の言葉が途切れることはなかった。

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2023年5月20日のニュース