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43歳遠藤保仁 J30周年MVP「誇りに思う」 俊輔氏「俺は納得していない」に“舌戦”も

[ 2023年5月16日 04:33 ]

「明治安田J30ベストアウォーズ」でMVPに選ばれオンラインで喜びを語る遠藤保仁(撮影・小海途 良幹)
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 Jリーグは1993年の開幕から30周年の節目となる15日、都内で記念イベントを開催した。30年の歴史の中からファン投票を基に決定した「明治安田J30ベストアウォーズ」各賞が発表され、MVPにはJ1通算歴代最多出場記録を持つ元日本代表MF遠藤保仁(43=J2磐田)が選ばれた。

 J1歴代最多672試合出場、J最多タイ24年連続得点などの華々しい記録に、J30ベストアウォーズMVPが加わった。練習を終えたばかりの遠藤は汗を流す間もなく、モニターの前に姿を現すと「30年の歴史で、たくさんの選手や先輩方の中から自分が選ばれたことを誇りに思っている」とリモートで受賞の喜びを語った。

 ベストイレブンを受賞したレジェンド選手からは手荒い祝福も受けた。昨季限りで現役引退した元日本代表MF中村俊輔氏(44)からは「(MVPには)俺は納得していないですね」と先制パンチ。遠藤は「納得しろよ、という感じです」と遠隔で応戦した。中村氏が退場した後、改めて取材に応じた遠藤は「心の中では(MVPを)認めているはずです。知らんけど」と“ヤット節”で会場を笑いで包んだ。

 今年でプロ選手生活26年目を迎えた43歳。今季J2では15試合のうち13試合に出場、リーグ5位の3アシストをマークするなど第一線で活躍を続けている。J1通算記録を上書きするべく、J1昇格に向けて練習に打ち込む遠藤は「一応まだ現役なので、まだまだ頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

 自分自身を育て、成長させてくれたJリーグへの期待も大きい。「これから40年、50年とJリーグが盛り上がって、どこに行ってもサッカーの話が出るようなリーグになってほしい。僕自身も少しでも手助けしたい」と展望した。

 ≪中村憲剛氏がベストイレブン入り≫30周年のも発表され、20周年記念で選ばれた11人からは4人が入れ替わった。中山雅史、ストイコビッチ、中田英寿、名波浩というレジェンドに代わり、内田篤人、田中マルクス闘莉王、小野伸二とともに新たに加わった元日本代表MF中村憲剛氏(42)は「そうそうたるメンバーの中の11人に選んでいただいてうれしく思う。自分は中学1年でJが始まり、Jリーグに育ててもらった選手。この賞を励みに恩返ししたい」と語った。

 ≪川淵三郎氏が伝説シーン再現≫初代チェアマンの川淵三郎氏(86)が30年前の開会セレモニーを連想させる衣装で登壇。「93年5月15日、Jリーグの開会を宣言します」と伝説のシーンを再現して会場を沸かせた。当時を振り返り「素晴らしいスタートを切れたので、これで大成功だと思った」と話した。野々村芳和チェアマン(51)は「10クラブからスタートして60クラブまで成長した。一つの節目だが、まだまだ歩みは止めない」と力強く語った。

 ☆ベストマッチ 11年4月23日、東日本大震災による約1カ月半のシーズン中断明け初戦となった川崎F―仙台(等々力)が選ばれた。被災地クラブの仙台は先制されたものの後半に追いつき、同42分にDF鎌田が決勝ゴールを挙げて2―1で逆転勝ち。練習が困難な状況の中でボランティア活動を行うなど地元に寄り添ってきたイレブンや手倉森監督、サポーターらは感極まり涙を流した。

 ☆ベストシーン 94年9月17日、名古屋FWストイコビッチが市原戦で見せた「雨中のリフティング」が選ばれた。相手CKのクリアボールを背後から受けたストイコビッチは水浸しでボールが転がらないピッチ状態の中、両足を使った6度のリフティングでボールを地面に落とさずスピードで敵陣に運び、前線へパスを通した。この試合でJ初得点となる直接FKも決め、世界のスター選手の実力を見せつけた。

 ▽J30ベストアウォーズ選考方法 ベストイレブンはサポーターのウェブ投票の得票上位からGK1人、DF3人、MF3人、FW1人を選出。選考委員会がその他3人を決定する。MVPは各ポジションの得票数上位選手から選考委員会が決定。ベストゴールなどはファンの最多投票数によって決める。

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